日本一の強酸性泉で有名な玉川温泉
ガンが治る温泉ということで多くの人が訪れている
車を駐車場に停め、建物に向かうが勝手がわからない
一番手前に建つ売店に入り、とりあえず手拭いを買う。レジの人に初訪問だがどこに行けば良いか尋ねる。初めてならまず地獄の方見てきてください。1時間くらいで回れますからと告げられる
玉川温泉自然研究路という道を湯気やガスが噴出している核心部目指して進む。同じ方向に向かっている人たちは皆莚を持っている。筵を敷いて寝転ぶのだろうか
すぐ隣りを歩いている老婦人に話しかける「あの、皆さんここで何をされているのですか」
ご婦人は華奢な体格に似合わぬ大きな声で「ここはねェ、末期がんの人が来るところなのよ。みんな末期がん。食道がんに肺がんに、ここはがんが治る温泉なのよ」「そうなんですか」「この辺りは地面が冷たいけど、放射線がいっぱい出ているの。ほら、あの外れにある赤い鳥居のところも放射線がいっぱい出ているのよ」見ると歩道のすぐ脇に老夫婦が莚の上に寝ている
「あの赤いテント、あのあたりは人がいっぱい寝てるわよ。私はこの先の広いところで寝るから、あなたはあのテントを見てくればいいわ」丁寧にお礼を言い、ご婦人と別れる。その間にも歩道の脇には大勢の人が寝転んでいた

テントの場所まで行き、中を覗く。写真では小屋掛けだったような記憶があるが、コロナ対応だろうか、丸太で骨組みを組んで上から赤い布を掛けたようなテントが3張並んでいる
中には老若男女が寝転んでいる。彼らも病気なのだろうか。じっとして目を閉じたり、文庫本を読んだりしている
私は黙って歩道に戻り、火山ガスが勢いよく噴出している地域を目指す
目の前すぐのところに、ゴーーーというジェットエンジンのような音とともに凄い勢いで火山ガスが噴出している。噴出口は鮮やかなレモン色をした硫黄の析出が煙突のように突き出している
ここはなんだろう、温泉好きが来る場所ではない

建物に戻り、目当ての温泉に入る
さすが日本一、pH1.1は他の追随を許さない。蔵王や草津の万代鉱も強酸性で名高いが、それでもpH1.6〜1.9
(ネットより)
浴槽は源泉50%と源泉100%に分かれている。最初は50%の湯で体を慣らしてから100%の湯に入るらしいが、本物志向の私は当然いきなり100%に入る
ぎゃっ!虫に噛まれた跡が痛い!尻の皮も痛い!これは失敗した
冬の草津で尻を痛めたのを思い出したが後の祭り。すぐに上がった
この後は湯船に入らず箱むし風呂でお茶を濁してこれ以上の悪化を防ぐ。が当然回復には至らず、この後の湯巡りに黄色信号が灯る
恐るべし玉川温泉

玉川温泉
秋田県仙北市田沢湖玉川渋黒沢
‭0187-58-3000‬
800円
9:00〜15:30

酸性-含二酸化炭素・鉄(Ⅱ)-塩化物泉
(等張性・酸性・高温泉)
成分総量7.785g/1kg
pH1.13
泉温97.3℃

道路、駐車場共に問題なし