八幡平から秋田方向に西進すると、つづら折りの下り坂が延々と続き、一気に高度を下げていく。道路に覆いかぶさる新緑のトンネルと若葉の間から見える青空、ロードスターに乗っていて良かったと思う瞬間だ
しばらく進むと三叉路に出て、本線を右に逸れると蒸ノ湯温泉の小さな看板があった

旅館の玄関前にクルマを停める。丁度一組の宿泊客が出発するところだった。私の車のナンバーをじっと見ている
こんな山奥で自粛警察か、面倒臭いな
「ごめんやで兄ちゃん、もしかして神戸から車できはったんか?」
懐かしや故郷の言葉ではないか、こんな秋田の山奥で同郷の人に会ったことに嬉しくなり、転勤で仙台に来たこと、温泉巡りが好きで東北の各地を回っていることを告げた
IB市からという先輩たち、どこかええ温泉知らんかと問われたので国見温泉を紹介する
「ほう、こりゃ綺麗な温泉やな、◯◯さん行ってみよか、ありがとうな兄ちゃん」
機嫌がすこぶる良くなったa-m-pさん、女将さんに600円を払い露天風呂へ
新型コロナウイルス感染防止のため、立ち寄り湯は露天風呂のみに制限されている

蒸気やガスが噴出している地獄に、混浴、男女別の3つの露天風呂がある
まずは一番奥にある混浴へ。やったここも独占だ
今日の星座占い一番だったしな

混浴は男女別の脱衣所の先に大きな枡風呂が二つ、樽風呂が四つ、岩風呂が一つある
源泉が一番たくさん掛け流されている枡風呂に浸かる
うむ、藤七温泉の次に入ったので、成分は若干薄めに感じる。そしてキシキシとしたひっかかりのある湯ざわり
一番特徴的なのは、この臭いだ。硫化水素型の典型的な硫黄臭に加えて、甲殻類の殻を日に当てたような生臭さが混じったような、なかなか形容し難い臭いがする

露天風呂から宿の建物を眺める。青空と緑に囲まれて美しいではないか

続いて男湯へ

近づくともうもうと湯気が噴いている
湯はうっすら濁っており、湯船の底には粗めの泥が少し溜まっている
湯温は42℃くらい、外気が冷たいくらいなのでとても爽快
風呂の縁に座り込みあたりを見回す
湯口の他にも、プシュッ、プシュッと間欠的に泥湯を噴き出している場所もある。凄いなここは
ん?足を蚊にでも刺されたか?
これがブヨだったことにこの時は気付いていなかった…

ふけの湯
秋田県鹿角市八幡平熊沢国有林内
0186-31-2131
600円
10:00〜15:00

単純硫黄泉(硫化水素型)
(低張性・弱酸性・高温泉)
成分総量0.0704g/1kg
pH4.6
泉温86.2℃

八幡平アスビーテラインは快走路、ただしそこから蒸ノ湯温泉までは未舗装かつえぐれているところもあるので低車高の車は要注意
駐車場は30台は余裕