山友会が運営するケア付き宿泊施設「山友荘」には、介護が必要になったり、障害や病気を抱えることで一人暮らしが難しくなった元ホームレスの方などが暮らしています。
ドヤ（簡易宿泊所）で一人暮らしをされていたIさん。
病気が悪化し転倒を繰り返すようになり山友荘へ入所されて3年近くが経ちます。
訪問診療や訪問介護、訪問リハビリを利用して、現在は歩行器を使ってお一人で外出が出来るまでになりました。
当初は、「迷惑を掛けたくない。」と山友荘への入所を拒み、歩行器を使って人前を歩くことも拒否されていたIさん。
今ではお一人で山友会まで出掛けられ、お茶を飲んで過ごす時間が楽しみになっているようです。
先日、山友会に来られているおじさん※が、「歩行器に台を付けたらお茶を飲むのに便利なんじゃない？」と提案してくださって、手の器用な別のおじさんが桜色の折り紙で装飾されたキレイな台を早速作ってくださいました。
※おじさん…山友会を訪れる年配の路上生活者の方や元ホームレスの方のことを、親しみを込めて「おじさん」と呼んでいます。
Iさんが山友会へ行かれると、山友会に集まるおじさん達はサッと席を譲ってくださったり、お茶を持って来てくださったり、帰りは山友荘まで送ってきてくださったり…。
自然に優しく接してくださいます。
以前、歩けなくなる自分を「何でこんなになっちゃったんだ…。」と嘆き、居室に閉じ籠りだったIさんが、今では外出の機会も増え、山友会で居心地良さそうに過ごされている姿を見るとわたしたちも本当に嬉しく思います。
Iさんが、
「ここ（山友会）のお茶は本当に美味しいんだよ。なんでこんなに美味しんだろうな～？」
と、常々言っているのですが、
ジャンさんや周りのおじさん達からの優しさエキス？が入っているからなのでしょうかね～（笑）
（山友荘 生活支援員 多田）
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