大文字のこと | 裏庭の盆栽棚から

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盆栽、頑張っています。

明日は大文字の送り火です。


先日から岩手県陸前高田市の松を大文字で燃やす、燃やさないという騒動が続きましたが、今は静かに送り火を灯して欲しいと思っています。


そもそも、今回の話は発案者という人がいて、その人が当初は大文字保存会の了承もナシに話を進めた事からややこしい結果になったものです。その人のブログは削除されていますが魚拓が残っていますのでURLをのせておきます。


http://megalodon.jp/2011-0713-1232-11/huji.hinamaturi.lolipop.jp/


ブログにある成分分析結果には検出された元素の中にSrという記述があるのですが、Srとはストロンチウムの事です。このSrが通常のモノなら問題ないのですが、ウランの核分裂生成物質のストロンチウム90だと大変な事ですよ。また、セシウム等の検出は書いていませんが、これもおかしな事です。その後の検査で樹皮からセシウムが検出されています。


この検査結果を見る限り、放射性物質の検査とは全く違う検査をしているようです。これでは保存会が信用できないという結論になるのも仕方がないと思うんです。だって最後には保存会が検査機関に依頼して放射性物質の検査をしているんです。それまでに何度も発案者の方に検査を依頼したにもかかわらず、発案者はそれには応えていなかったんです。


そんなことでお互いの信頼関係が出来ないでお話は流れてしまうのです。

ニュースでは発案者の事はあまり報道されていなかったようですが、一体どのような経緯であの顛末に至ったのか真実を正しく伝えて欲しかったですね。


また京都や大文字保存会に多くの苦情や落胆の声が寄せられているようですが、京都のほとんどの人は大文字にかかわっていませんし、京都市だって同じ事です。今回は市長が焦って連合会や保存会に圧力をかけていたけど、ひどいことをするなと思ってみていました。我が家の親戚はほとんど京都市内に住んでいますし、中には銀閣寺の近所や金閣寺の近所に住んでいる人もいるけど、全く送り火には関与していません。銀閣寺のすぐ裏の山が大文字山、そして金閣寺のすぐ側には左大文字があるのにです。送り火の各保存会はごく少数の町内会くらいの人たちで構成されています。昔は今よりもたくさんあった送り火ですが、維持できなくて現在の数まで減ったのでしょう。山の火床の周りには森がありません。あの状態を維持していくためにどれほどの労力を必要とするでしょう。また送り火を灯す為にどれほどの力が注がれていることか、想像に難くないと思います。そんな作業を毎年繰り返し、団結の強い集団となっている大文字保存会が団結を守るために総意として「陸前高田の松は燃やせない」と決めたのですから、その決定には誰も異論を差し挟むことなど出来ないのです。始めに書きましたとおり、発案者がいて、様々経緯を経てその決定になったのですから、そこに問題が有ったと思うのが普通だと思います。そして保存会は陸前高田まで行って、直接に出来ないことを伝えています。どうしてそんな人たちを責める事が出来るのでしょうか。責めた人たちは何か行ったのでしょうか。口だけなら何とでも言えます。しかし行動することは大変なのです。一連のニュースがあまりにも一方的でヒドい伝え方でしたので、一言書かずにはいられませんでした。明日を静かに迎えたいと思います。