ぼてぼて茶をいただいて
日曜日、愛媛民芸館で「ぼてぼて茶」をいただいた。ぼてぼて茶とは、出雲地方に伝わる庶民の間食。
同館の初代館長はしばしば茶会などを催し、おもてなしの心で来館者を迎えたといろいろな人から聞いていた。
茶道の素養のある人がいて、じゃあやってみませんかという感じでぼてぼて茶の会をおこなうことに。
その日いた人たち数人を巻き込んでのぼてぼて茶会!各自が器にお茶をそそぎ、茶を塩をつけた茶筅で点てて、
そして中に赤飯、黒豆、しば漬けを入れ口に流し込む。はじめてで新鮮な体験。
茶筅で茶を点てるとき立ち上がってくる香り、そして“具”の味はおいしい。昔の人の知恵だと思った。
もともとは、たたら製鉄の職人たちが作業の合間に立ったまま口に流し込んだ労働食といわれている(諸説あり)。
塩をつけたり、甘みのある豆が入っていたりで労働食といういわれを聞くと納得だ。
抹茶はよく知られているが、ぼてぼて茶は知らない人が多く、自分で茶を点てていただく貴重な体験。
なかなか好評だったので、またする機会をうかがっている。民芸・手仕事の集まりの際にもいいんじゃないかと。
この日集まった中の1人の女性は同館で以前展示即売したヘンプのストールを身につけていた。(見ればわかる)
出雲・手仕事・ヘンプで、忌部(いんべ)的。私は少なくともそう思った。もちろん狙ったわけではなく自然な形で。
ヘンプはさりげなく。派手にすると何かがちがう。違和感を感じるようになっている。
同館で茶話会のようなのをしたいという声が昨年からあったのだが、意外な感想も聞くことができて、
それが徐々に形になっていっている。してみないとわからないことが多いので少しずつやって修正していければと思う。
(編集後記)
同館所蔵のぼてぼて茶碗(江戸時代)も見せていただけました。
面と向かって生の声を聞くこと大切です。
台風が近づいています。情報にお気をつけください。