冬は駅伝の大会が多い。先日TVで信じられない駅伝レースの光景を見た。
先頭集団は当然注目されているのでそんなことが起こればすぐにわかる。
私が見たのは、画面の奥の奥の方、先頭より250mほど後方の出来事だ。
ランナーはまるで豆粒のような大きさで映っていた。
直線だったので見えたのと、もう一つは昔その辺りに住んでいたので、
目印になる5階建の病院の屋上にある看板に気付いたからだ。
「あっ、あそこあそこ!」と懐かしさを感じたその時だった。
突然大きな犬の影が(大きいといってももちろんそれも豆粒大にしか見えないのだが)
走っている女子選手に歩道側から躍りかかった。
ランナーは転び、犬はすぐに走り去った。黒っぽい犬だった。
TVカメラは先頭集団をとらえ続けてているし、解説者も気付いていないようだった。
そのことには誰も触れない。
しかし、1分ほど経ったとき先頭集団を応援する歩道の見物人の後ろを
黒いものが駆け抜けていった。
それは黒っぽい犬、しかもあれは明らかにドーベルマンだった。
しかし、なぜそれがあの犬だと判ったのか?
それは紛れもなく、あの転んだ豆粒のような選手のユニフォームの
色が、見たこともない鮮やかな金色だったことと
歩道を走るその犬のすぐ後ろを同じ色のユニフォームを着た選手が
鬼のような形相で追いかけていたからだ。
かつて見たことの無い衝撃の出来事だった。