がん関連の情報を自ら探しにいったり、あるいは、その意識はなくてもそれは目に飛び込んできたりする。
自分にとって不都合な情報が出てきたらどうするか?
無視する(笑)
おそらく一般的な反応だろう。
わざわざ気持ちを下げる必要はないもんね~
それでいいと思う、自分の範囲で留めているならば・・・・
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先週、出張中にwebの波にもまれていたらこんなフレーズが飛び込んで来た。
高身長の人の高いがん発症リスクは「生まれつき」
(元記事はコチラ: 元論文のインパクトファクターはそれほど高くはないですけど)
はい、知ってました。
すでに、国立がん研究センターが主導する、多目的コホート研究からも、これの同様の研究が報告されてましたし(JPHC Study)。
間違いなく、
不都合な情報(笑)
小学校の時から整列するのは後ろから3人以内で、高校入学前後にどーんと伸びて180cm超の小生。昭和30年代生まれとしては、高い部類です。
JPHC Studyによれば(男性:元論文はコチラ)
160cm以下の集団の全がん発症リスクを1とした場合、168cm以上群集団ではそれが1.17倍に。そして5cm増えるごとに1.04倍ずつリスクが増すと言う。
自分の場合・・ 1.17×1.04^3≒1.91
ふ~ん
やすりで頭を削っておけばよかったか・・・ (笑)
この数字はどれくらいかというと、
全がん粗罹患率、810.6(対10万人、一年間、男性、データはコチラ)が1548.2になるってことで、後者で100人に1人をちょっと超える程度。
約2倍! と聞くと大変だって思う場合もこともあるだろう。
でも、こういう手法、つまり低リスク群、あるいは、何もリスクが無い群を1とした場合という手法では、元の確率や決定係数(因果係数)が隠れていることは知っておくべきだろう。
そして、大規模とは言え、観察研究ですしね・・・・ 割り引いて、一歩ひいて冷静に眺めるベシ。
ただ・・・
サバイバーとしてEBMを基盤とする標準治療にまずはプライオリティーを置き、さらに、その元となる科学的思考・方法は仕事にも通じる考え方であるので、自分にとって不都合である情報であっても、納得すればもちろん受け入れるわけです。
科学的であることの一つの要件は、反証可能性ですからね。