<下記、久々の堅めの話です・・・・・・年季が入ったサバイバー(サバイバー歴1年超)の方はご存知のことばかりですのでスルーしてください(笑)>

 

○○はがんの転移を促進! 

こういう見出しや報道、あちらこちらで見かけます。

素直に、○○身体には悪いんだ、食べちゃだめなんだ・・、と考えてしまうのは早計です。

もう少し広い視点から、あるいは斜めに(笑)考えてみることをおススメします。

 

そういう話は、何かしらの”研究”が元になっていますが、都合のいいところだけを切り出して報じられることが多いからです。

"専門家"と呼ばれる人たちも意図的にやります。

 

その知見は、

かなり限局した環境でしか成立しないかもしれません。

例えば生体には、まずありえない環境だったり( ←これ多いです)、特定の(偏った)集団にのみ当てはまることかも知れません。

 

でも、サバイバーは、”がん”という言葉に敏感すぎて(悪い事ではありませんけど)、自分も・・・と思いがちですが、報告された事が、がん種、ステージ、時期(経過)を問わず”すべてのサバイバー”に当てはまることはまずありません。

 

その辺りの事は、情報源が”論文”であれば、まず実験条件や環境は「方法」に記載されています。また、その知見の適用できる範囲は、論文には必ずと言っていいほど記載がある”研究限界”ー報じられた現象が成立する範囲や、設定環境外には当てはまらない事など-に記載されています。

 

それ以前に、

論文も、実は玉石混交、つまり、論文になったものが全て同等の科学的価値を有するものではないこともありますので、その(論文)の二次利用の場合、概要だけではなく、このあたりもきっちり把握した上で報じてもらう必要があります・・・

 

一方、

冒頭の文のように、扇動まがいの文章を並べ、自論?借り物の論?を展開している方を見かけます・・。

そのソース(情報源)の科学的水準はおろか、論文と学会発表※や専門家の主観的言説 (自称専門家もいます) の区別もしていない、質・内容を意識していない例も多数認められます。 

※学会発表は、多くは速報的、萌芽的な発表の場であり、学会として正式に認定(オーサライズ)されたものではないからです。

 

気になる情報があれば、サバイバー自身で確認して判断するのが理想的ですが、なかなかそうはいきませんせんよね・・・。 

では情報の坩堝からどうやって、より正しいであろう情報を見出していくのがよいでしょう?

 

心あるサバイバーさんがこれまでも紹介されておりますが・・・・

やはり第一選択と言えば、臨床疫学などをベースに、科学的根拠や臨床的な適用をきちんと、しかもわかり易く説明している、国立がん研究センターのサイトをお勧めします。

 

・国立がん研究センター

信頼できかつわかり易い情報の筆頭(念のためコチラです)。

この系統で言えば、各所にあるがんセンターの病院や、連携病院から出された情報は信頼できるものです。

 

また、診療ガイドラインの市民版は「科学的根拠のまとめ」としては最終形だと思います。

 

 

 

ちなみに、小生の超個人的なWeb情報利用方法については下記の順を意識しています。

 

取捨選択法 #1

情報源の違いを意識しないで(情報源を示しないのは論外)、刺激的扇動的な言説を並べているものはスルー。

なぜなら、科学的根拠というものを考慮されていないので。

 

酷い時には、学会の抄録レベルのことを、世紀の発見の如く報じらています。

まとめサイトなどは、その情報源がweb上で、そのまた情報源がまたまたwebで・・・と、そもそも情報源が辿れないものも存在しています。

 

取捨選択法 #2

情報源(論文)の記載があったら、その論文がどのレベルの(学術)雑誌に掲載されたものかどうかを一つの判断基準とします。 その基準が、インパクトファクター(Impact Factor: IF)≒影響スコアで、”雑誌名 IF”とグーグル先生に聞くと教えてくれます(このスコアが無いのは論外)。 

かつ、一本の論文のみではダメ。

 

現在花形の領域はバカっ高(30以上)ですが、通常5以上あれば一流科学雑誌です。 2017年のIF一覧はコチラ

遺伝子系、生物系、臨床系、その専門領域によって、異なります。IFは、基礎系が高くなります。

 

取捨選択法 #3 

”メカニズム”については、「あぁ~そういう可能性もあるのか」と頭に置く程度としています。

実験はあくまで、試験管や動物モデルであって、人に適用できる保証はどこにもないからです。実験もなく、理論モデルだけで、極端な行動を起こすことは効果もリスクも評価できないので、小生はそこには惹かることはありません。

 

取捨選択法 #4

”しないリスク””制限することによるリスク”が不明な場合は、減算戦略をとることはありません。

 

例えば、抗がん剤(というか薬と呼ばれるもの)は、程度の差こそあれ、副作用を有します。比喩として”毒”という表現もみかけますが、”毒”そのものではありません。(はっきり言ってしまいますが)近藤一派の”抗がん剤悪玉説”は、自説を示す数少ない論文のみを示し、抗がん剤のリスク(副作用)のみを強力に主張しています。でも抗がん剤治療をしない予後についての根拠は提示されません、というか意図的にそこに触れません。

これは栄養管理についても同様です。ある食品を摂らない、ターゲットとなる成分をとらないことは百歩譲って許容するにしても、その食品に含まれる他の成分を摂らないリスクを考慮しなければなりません。これらが、加算戦略をとる所以です。

 

ただし”制限・制約”に、ある種の宗教的な、修業的な価値を見出している場合は例外とします(自分はそうではありませんが)。

 

取捨選択法 #5

権威・ラベルはほとんど考慮しない。

 

元教授とかのラベルは、信頼性を置く一つの理由にはなるでしょうが、逆にそれを盾にして強引な理論を展開している方もいらっしゃるので注意が必要です。

 

それって、

都合のよい実験結果を意図的につないだだけでしょ? 

何十年前の話ですか?

と、自分だったら質問してみる。

 

以上はあくまでも、個人的な戦略ですので。

あしからず(笑)

 

インターネットに流布している半分は偽(ソースはコチラ

インテリっぽい人がコロっと騙される・・・笑 (ソースはコチラ