さて。
二部は書の遊戯。
私たち日本人に馴染みの深い「書」。
硯に向かい、筆を走らせる時には、
茶道や華道をしているときのような
精神統一を図る姿をイメージします。

そんな静の中にありながら、
笠間さんの世界は動。
命を吹き込まれた言霊たちが、
紙の上で生き生きと踊っていました。

それはまさに言葉のアート。

言葉そのものの意味だけでなく、
笠間さんの情熱や、言葉を紡ぎだす思いが
そこには表現されているようでした。

私は文字を紡ぐ仕事をしています。
笠間さんのようなアートではなく、
思いを文字に変え、文章にして、
世の中に送り出すモノをつくります。

読まれて初めて届く…そんな世界です。

それとは違い、
ゼロからすべてを生み出す言葉のアートは、
書体そのものに、パワーがあるので、
見るだけで胸に飛び込んでくる。

絵や写真のように、
のびやかに描かれた書体からは、
いろんな思いが伝わってきました。

その中で心に残った『紡ぎ唄』。







私の好きな音速珈琲廊(ソニックカフェ)
 https://myspace.com/soniccafe 
楽曲の中でも、特に愛すべき一曲『つむぎ唄』と同じタイトル。
愛を紡ぐというのはどちらも同じ。

いろんな思いを紡いだ詩だと、
笠間さんは教えてくださいました。

「紡ぐ」とは、いろんな意味を持ちます。
もとは糸をつむぐ…というところからきているそうですが、
温かくて柔らかくて言葉の響きそのものが好きな言葉。

このパネルの前で、私はしばらく思いを巡らせて
この詩と空間を楽しみました。

笠間さんにも、これから大きく世界へ羽ばたいていってほしいと
思いながら、余韻を楽しみつつ、家路に向かいました。


久しぶりにアートを満喫したひととき。
心にたっぷりと栄養を与えたところでの惨事…でしたが、
ここまでは何の前触れもなく満喫できたので…
よかったとしようかな…。