コンニチワ。
今日はまじめなお話です。
ここ1月ほど、メディアにLIBORに関する話題が多く出てますね。
今日はそれを少し整理しておきたいと思います。
最近は金融リテラシーが進んでいるのか、学生さんでも金融に興味のある人ならLIBOR知ってたりしますよね。一昔前なら驚きですよ。まあ、新聞にも書いてありますし、金融工学系の書籍を読めば、金利タームストラクチャーのところでLIBOR Market Model(LMM)とかって、BGMとかが載ってたりしますもんね。しかし、日常生活ではほぼ使用しませんよ(笑)
知ってる人には当たり前の話ですが、、、
LIBORとは、London Inter-Bank Offered Rateの略称で、英国銀行協会(British Bankers’ Association)が日々(ロンドン営業日)集計し、公表している指標金利で、金融機関がお互いに資金を調達しあう時の平均的な利子率と思ってもらえばよいでしょう。O/Nから1年物まで15のタームに対して、たしか10通貨ぐらい公表されていると思います。
金融機関を含む企業間の資金調達に際して基準となるだけではなく、変動利付債の利率の基準となったり(L+○%、という利率になっている)、金利スワップの変動金利として用いられていたりする(YENスワップなら6M、USDスワップなら3Mが使われる)重要な指標です。
毎ロンドン営業日、Reference Bankと呼ばれる銀行(Contributor)は、ロンドン午前11時時点の各タームに応じた貸出レートを投票します。Contributorは16行おり、上下4行ずつのレートが除外され、真ん中の8行が提示したレートの算術平均が、そのタームに対するBBA LIBORとして公表されます。(確か、小数点以下5桁目までの表示で、ロンドンの12時までには様々なベンダーを通じて公表される)
LIBORは、様々なデリバティブや金融商品の指標金利として用いられると同時に、短期金融市場における資金需給を示す重要なベンチマーク(こちらのほうが本来的だが)となっています。このLIBORに対して、信頼性を疑問視する声が上がっているのです。
きっかけのひとつは、確か4/16のWSJ紙の記事で、一部のContributorが意図的に低いレートを投票しており、LIBORが恣意的に歪められている可能性があるというものでした。疑惑はこうゆうことです。07年前半より、米国住宅市場の下落に端を発した信用危機で欧米の金融機関は巨額の評価損を出し続けています。流動性の枯渇を通じて、短期金利(資金調達コスト)は上昇し、それがさらにマーケットの不安心理を煽るという悪循環にもなっていました。LIBORが上昇すれば、金融機関の資金調達が逼迫しているという印象を与えることになり、欧米の主要金融機関にとってはマイナスです。それを避けるために、(金融危機は底打ちしたよ、短期の流動性もかなり安心な感じになってるよ☆という印象をマーケットに与えるため)一部のContributorが意図的にLIBORを下げようとしたという見方がでてきたわけです。
この記事以降、3Mや6MのLIBORには上昇圧力がかかり、(ある金融機関のレポートによれば、本来あるべき水準よりも20bp以上LIBORが低く出ている、なんて話もありました)マーケットには様々な憶測が飛び交うようになりました。
最近ホットなのは、FRBやBOEが昨今のLIBOR問題について注目しており、BBAがLIBORの算出方法をおよそ10年振りに見直すのではないかってやつです。
5/15のFTにも「Speculation grows over Libor changes」と題して、LIBOR算出方法変更の噂などをもとに短期市場である種投機的な動きが見られるというような記事がでていました。
以前にも、自行が抱えるデリバティブ・ポジションに対してFavorになるようにレートを歪めて投票しているContributorがいるだの、ルーマー的な話はいくつもありましたが、ここまで大事になっているのは初めてじゃないかなと思います。
個人的には、これもマーケットに不安心理が根強く残っている、まだ金融危機は完全な底打ちじゃないのではという恐怖感の表れなんだろーなと思います。
だって、USD LIBORのContributor16行のうち、米系ってほんの3行ぐらいですし、上下4行ずつ外されちゃうわけですから、そこまで恣意性って入らない気がするのはぼくだけでしょうか?
ここ最近、原油価格の高騰にもかかわらず株は戻してきてますし、結構楽観論も出てきていますが、短期マーケットのこの動揺を見ると、まだまだ安心はできないのかなと思う今日この頃です。(株も景気の底打ちってゆうよりは、原油高騰だからインフレだぁ、オラァ、株買っとけや、ワッショーイ!って感じですしね。。。)
BBAは5/30にここんとこのLIBOR問題に関するReviewを出します。
BBAのスタンスとしては、LIBORの算出方法自体に問題があるわけではないってことだそうです。
事態が早く落ち着くと良いですね。