昨日の日テレの特番「明石家さんまの転職DE天職」、めっちゃ面白かったですね。2013年からほぼ年に一回のペースで放送されてきた番組で、昨日はその第9弾。ついにビッグプロジェクトが動き出すことになり、ワクワクしながら見させてもらいました。

 

 

事の起こりは昨年の放送で、さんまさんの脳のCTスキャンをしたことにあります。その結果、驚くほどの天才的な脳の持ち主であることが判明。脳科学者の診断で、画商をしたら世界的に大成功すると太鼓判を押されたのです。

 

 

それではということで、実際にさんまさんに画商になってもらおうというのが、今回のビッグプロジェクトです。

 

 

面白そうだから実際にやってみようという日テレ、エライです。さすが視聴率トップであるだけに、懐が深いです。テレビ番組で本当のアーティスト(音楽業界のアーティストではなく)を発掘するというのは、恐らく前代未聞です。

 

 

テレビ番組的に、先見の明もあります。番組として今後ずっと継続させられる軸が出来て、さんまさんもノリノリです。はやりのタレントを使い捨てるようにして作っている番組とは異なり、今後5年、10年単位で続けていくことが出来る目玉企画です。久々に胸が躍るような大型企画です。

 

 

不要不急なものを控えるようにと言われている現在、アートもその一つと思われがちです。しかし、アートに触れることで心が癒されることも事実。経済的に恵まれないアーティストが多い中で、埋もれた才能を発掘していこうという企画主旨は大いに賛同できます。そしてこの番組から優れた芸術作品が生み出されたら、それは数100年単位で鑑賞され続けるものになるかも知れません。それだけ息の長いプロジェクトです。

 

 

昨日の放送の前に、さんまさんに自分の作品を売ってもらいたいと応募してきたアーティストは、実に2560人もいました。さんまさんに選んでもらうために、応募作品の写真が4点ずつ1枚の紙に印刷され、その紙が合計で約700枚。それがドサッと机の上に置かれます。それだけでウンザリしそうな感じですが、さんまさんは一つずつ見ていって、最終的に22人の作品を選びました。

 

 

選ばれた人の年齢は下が14歳で、上は71歳。芸術大学を出て既にプロのアーティストの人もいれば、まともに絵を描いたことがない人も選ばれています。全てはさんまさんの感性に合うかどうか。そのせいか、関西のアーティストが多く選ばれていました。

 

 

実際にさんまさんの付き人だったジミー大西は、いまや立派な画家になっています。(番組では自分の絵を300万円で売っていました。)芸能界でトップになったさんまさんですから、芸術的センスも抜群なのでしょう。

 

 

そしてテレビ番組で採り上げられ、さんまさんが売るとなれば、大化けするアーティストも出てくるでしょう。さらに村上隆やら奈良美智を見出したプロの画商もサポートしています。これはすごい話になるかも知れません。村上作品は今や10億円以上で取引されることがあるほど。番組が発掘したアーティストの作品も、将来的に億単位の価値が生まれる可能性もあります。

 

 

昨日の番組では、150万円で買われた作品もあり、売り上げの合計は1000万円を超えました。いくらテレビの企画とは言え、今まで無名だったような人の作品がこれほどの値段で取引されるというのは、驚きです。

 

 

世の中にごまんとアーティストはいるでしょうけれども、高額な料金で作品を売ることが出来る人は、それほどいないでしょう。そして価格の高い作品が、芸術的に優れているとも言い切れないのが難しいところ。芸術は摩訶不思議、魑魅魍魎の世界です。

 

 

世界的な名声を得るためには芸術的な才能と共に商才が必要です。ゴッホだって、弟が画商だったので、絵を描き続けられたのでしょう。

 

 

アートの趣味なんて本当は人それぞれ。私もよく展覧会に行きますが、鑑識眼に自信はありません。有名な人がいいと言った作品は、いいと思ってしまいがちです。

 

 

次回の放送では、菅田将暉も画商に加わるとのこと。これだけのバックアップで、アーティストを応援していくというのは、とても頼もしいです。

 

 

「スター誕生」、「お笑いスター誕生」、「ダンス甲子園」のようなオーディション番組の実績がある日テレ。今後は本当のアーティストのオーディションで、我々を楽しませてくれることでしょう。