野村克也さんが亡くなって、早速NHKの「クローズアップ現代+」が追悼番組を放送しました。何でも半年前から密着取材を行っていたとのこと。やはり奥さんを亡くしてから、自らの衰えも加速していたのでしょう。本人もそれを自覚して取材を受けていたのだと感じました。

 

 

野村さんはいくつも明言を残していて、私が好きなのは「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」ですが、今回の放送では「財を残すは下、業を残すは中、人を残すは上」という言葉が私の心に刺さりました。

 

 

選手としての実績は抜群ですが、残念ながら所属球団がパリーグなので、現役時代はそれほど注目されなかったように思います。確か、「侍ジャイアンツ」というアニメに野村さんが出ていて、ひどい悪者扱いされていたような記憶もあります。

 

 

それが監督になってからはID野球とか野村再生工場として見直され、解説者としても超一流でした。(ちなみに私が監督としても解説者としても尊敬しているのは、野村さん、落合博満、森祇晶の三氏です。)

 

 

監督として選手の可能性を見出し、それを育てて活かすことには長けていましたが、おやじとしては、あるべき姿に悩んでいたようですね。

 

 

父親と息子はどうしても比較されてしまうもの。偉業をなした人の二代目は、出来損ない扱いされることが多いものです。それで有名なのは徳川秀忠ですが、プロ野球の世界で大成した二世選手はほぼいません。

 

 

野村さんも自分の子育てには苦しんだようで、親バカと言われながらも自分のチームに息子を入団させたわけです。お互いにいろいろな葛藤があったようですが、番組の中では両者が分かりあえた様子を見せてくれました。

 

 

ありがちな言葉ですが、謹んでご冥福をお祈りします。