ゲストハウスのおばちゃんの息子

 

 メーサローンに到着して、さっそく最寄りのゲストハウスで空き部屋あるかどうかを尋ね、数日お世話になることにした。1泊50バーツと格安個室。1階スペースがロビー兼食堂のようになっていて、ここのおばちゃんのオムライスを好んで食していた。ゲストハウスのすぐ近くに市場もあり、コーヒーとパートンコー(揚げパン)をそこで食していた。セブンイレブンの近くには福建麺の店があり、そこもよく利用した。食べるものが見つかれば、いくらでもいれる。ゲストハウスの食堂利用するときは、飯時を外れた時が多かったので、おばちゃんに直に注文し、作り終えたらおばちゃんが対面に座って話し相手になってくれることが多かった。ただし英語が通じるのはゲストハウスのご主人のみ。片言も片言なタイ語と身振り手振りだけの会話。おばちゃんも暇な時間帯で、時間潰しにはちょうど良かったのかもしれない。

 

 このおばちゃん、アカ族らしく、娘1人と息子1人とともにこのゲストハウスに住み込みで働いていた。旦那さんはちょっと離れた山の中に住んでいて、たまにバイクでゲストハウスに顔を見せていた。テレビを観にきてるというのが正解かもしれないが。娘は幼稚園に通うよく笑う園児。息子は喋れない、聾唖者であった。母であるおばちゃんとは手話で会話していた。おばちゃんに身振り手振りが多かったのも納得がいった。タイ語を話せない私にはちょうどよかったかもしれない。ノートに絵を描いて意思疎通を図ってみたり、息子くんに絵を描いてもらったり、学校にも通っていないこの息子くんは、以降私の周りにいることが多くなっていった。

 

 まず早朝起きてすぐに市場へ行く。そこでコーヒーとパートンコーで朝食。部屋に戻って二度寝。昼前に再び起きてきて1階ロビー兼食堂のテーブルに腰掛ける。少年目の前に登場。何かしらで数時間遊んで、お腹空いた頃におばちゃんにオムライスを作ってもらう。食べ終わったぐらいにお父さんが妹を送り届けに来る。そこでまたひとしきり遊ぶ。暗くなる前にお腹がすけば、近くの福建麺食べに行ったり、お茶屋にお茶飲みに行ったりする。ビールを買ってきて、そこで酒盛りが始まることもある。数日間の滞在だったが、おばちゃん一家や目の前の美容室のお姉ちゃん、そのお友達など、またここに来る理由ができた。

 

 最後までこの村に居てもよかったが、タイ滞在も残すところ10日ほどになり、チェンマイに戻ることにした。ゲストハウスの部屋借りっぱなしだし、荷物も預けたままだ。初タイから1ヶ月間だったが、全く飽きることなく、いやむしろもっと居たい、また来たい思いが強くなっていた。

 

 

 

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