仕事を辞めて1ヶ月放浪旅

PVアクセスランキング にほんブログ村

ほとんど寝ずに、早朝の成田空港に向かう。飛行機の中で寝ていれば、午後にはドンムアン空港に到着予定である。1ヶ月の旅は人生初だが、その割に荷物は少ない。大きめバックパックとPCカバンのみである。1ヶ月の予定も決めていない。着いてからのホテルすら予約していない。海外旅行は何回か経験はしているが、タイは初めてである。ぼんやりと、周辺国周遊でもできたらいいかなぐらいが頭にあったぐらい。飛行機のチケットは4ヶ月前に取っていたけれど。

 

2005年9月、上司に辞表を提出し辞意を伝えていた。仕事的に人事異動が毎年2月前後と7月前後ぐらいにあったが、その2月のタイミングがちょうど良かった。有給休暇を消化すると、ちょうど3末退社扱いになる。働き始めて10年、強制的に消化される有休以外使ったことがなかった。

 

中学受験の塾で働いていたが、基本年中忙しかった。教室責任者になり、スタッフの休みとか調整していると、さらに自分の休みが取れなくなってきた。シフトは休みにしていても、教室に行って仕事をしているなんて日もざらにあった。

 

仕事自体に大きな不満があった訳ではない。保護者との面談とか保護者会とかは、朝から晩まで毎日でもできたし、むしろやりたかったぐらい。でも様々なプレッシャーやら、思うようにならないフラストレーションやらを自分でうまいこと処理していたつもりだったものが、徐々に体調に影響してきたのであろう。微熱がずっと続くようになり、毎朝だるさを抱えての出勤になっていった。

 

海外に行くことは好きだった。かつてはそっち方面の仕事をしたいと思っていた時期もある。毎年1回は海外旅行していた。だから仕事を辞めたら、しばらく海外でのんびりしたいと思っていた。タイを選んだ理由にはっきりしたものはない。当時はまっていた深夜特急の影響だったかもしれない。聖地巡礼のようなことをしようと思った訳でなく、タイに行けばそこからどこにでも行ける!と思っていた。

 

 

結果、どこにも行けず、タイに18年とどまっているのだが。

 

 

 

 

  …やばっ!

 

ドンムアンに到着して、さすがに数日分のホテルぐらいは取っておいたほうがいいかなと思い直し、空港内のホテル斡旋所みたいなところでホテルを予約しようと意気揚々と向かった。…が、なんだ!このスタッフの言語は!英語を話しているっぽかったが、なかなか聴き取れない。英語堪能なわけではないが、それでもこれまでの海外旅行ではある程度なんとかなっていた。話すことは難しくても、聞き取る方はある程度自信もあった。まさに出鼻を挫かれた。これから1ヶ月なんとかなるのか? 急激に不安を覚えた。

 

指差しやらジェスチャーやらでなんとか1時間ぐらいでホテルを確保した。ホテルに向かうタクシーの中でさらに打ちのめされる。窓外に見える看板には訳のわからない文字。運転手に英語で話しかけても通じないし、返ってくるのはほぼ英語でないタイ語。とりあえず行き先はさっきのスタッフが伝えてくれていたと思うので、ホテルには到着するはず。といって初めての地で土地勘があるわけでもないので、本当に到着できるのかもわからない。けど、とりあえず信じることしかできない。途中で降りようものなら、さらに訳のわからんことになる。ホテルらしき建物に到着し、予約したホテル名をそこに確認し、やっとほっと一息。ホテルスタッフの英語はわかりやすかった。まぁ、チェックインうんぬんのやりとりなので、ほぼ想定通りの言葉が発せられ、想定通りに対応すればOKだったのだが。本当に肩の力が抜けたのは、ホテルの部屋のベッドに横たわったときだった。

 

ここから1ヶ月、何も誰も知らない土地での旅(生活)が始まる。

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 海外生活ブログ バンコク情報へ にほんブログ村 海外生活ブログ バンコク情報へ