ドラマ仕立ての算数問題 No.2 (小5 最小公倍数)
大士(まさあき)くんは何でも等しく分けるのが好きです。友だちの誕生日パーティーに行ってもケーキやピザを等しく分けたくて、三角定規や分度器を取り出します。でも大ひんしゅくです。
「いや、いや、消毒して来たって!」
と言っても、それだけの問題ではないので、はいはいはい、とみんなに取り押さえられてしまいます。その間にその家のお母さんが出てきて、はいはいはい、と笑顔でさっとケーキやピザを引っ込めて、適当に切って持って来ます。なかには本当にいいかげんなお母さんもいて、かなり大きさが違っていたりします。そうするといちばん大きいケーキやピザをめぐって、じゃんけん大会が始まります。
「ほらだから、ぼくにまかせればよかったでしょ!」
と声高に言う大士くんですが、やはり、はいはいはい、と中くらいのピザやケーキをあてがわれて、今はだまってろと言われます。
そんな友だちの誕生日のたびに欲求不満がつのる大士くんですが、今日は大士くん本人の誕生日です。思いっきり等しく分けることができます。でもみんなの前で三角定規や分度器を取り出しては、また引かれてしまうことはわかっています。そこで大士くんは考え、ひとつのアイデアがうかびました。そうだ!ピザとケーキを前もって自分 で等しく飾って、みんなの前ではその飾りに沿って切ればいいんだ。
あらかじめ厚紙に適切なサイズの円を描き、お母さんにわたしました。そのサイズに合わせてお母さんがピザ生地を伸ばしてくれました。今度は大士くんが、お母さんが焼くスポンジケーキの型を厚紙に押し当ててなぞり円を切り取りました。そして人数分に等分するには中心角は何度になるか計算し、その角度おきに円周上に印をつけ、その上にピザやケーキを置き、飾りつけをする計画です。そしてピザの中心にはコーン、ケーキの中心にはブルーベリーを目印として置くつもりです
三角定規や分度器を使うのではなく、ただ飾りに沿ってカットするこのスマートな方法を思いついたことに自分でも感心し、それを実現させる作業にわくわくしました。今日は友だち5人呼んだので自分も入れて6等分すればいいのです。よし、360度を6等分すると中心角は・・・そこで電話が鳴りました。友だちの海斗くんでした。
「まさあき、ごめん。今日さー、オレと遼サッカークラブでいろいろあってさ、ちょっと遅れる。30分くらい。最悪行けないかも。行けるかどうかはっきりした時点でまた電話するから。」
えー!大士くんは頭をかかえました。来るか来ないかわからないんじゃ、どうやって飾ればいいんだよお。1ピースの中心角を何度にすればいいかわからないじゃないか。来てから準備じゃまた三角定規とか使わなきゃいけないから、またみんなにブーブー言われるし、どうしよう。また大士くんの欲求不満確定かと思われましたが、大士くんはしんぼう強く考えました。海斗くん遼くん兄弟が来るなら6等分、来ないなら4等分・・・6等分にも4等分にもできるようにするには・・・6でも4でも割り切れる数・・・おおおお!それはまさに最近学校で習った最小公倍数の考えではないか!大士くんは自分で思いついて鳥肌がたちました。「今ぼくはスマートに等しく分けることのさらに上を行こうとしている。」
そう、6と4両方の数字で割り切れる数は〇です。〇等分できるように飾っておけば、6等分にも4等分にもその場で切り分けることができます。円を〇等分すると中心角は△度です。
大士くんは等しく分けるのが好きなだけではなく実は手先も器用なので、それはそれは正確に飾ることができました。
海斗くんと遼くんが30分遅れてやって来ました。大士くんのお母さんがピザを焼いて持ってきました。みんなはみごとに正確に飾られたピザを見て
「おおー!」
とお驚きの声をもらしました。でも一息つくと、彩夢ちゃんが、
「闇を感じるわね。」
とつぶやきました。
「出た、マツコ」
と海斗くんが言い、みんなが笑いました。
「ひどいよ、みんな。海斗くんと遼くんが来るか来ないかわからないっていうから、ぼくはしかたなく6と4の最小公倍数の〇等分で飾り付けしたんだよ。だからこんなミッチリ感がでちゃったんだよ。」
「わかった。そっか。ごめん、ごめん。ありがとね。そしたら来年は、妹ふたりも連れてこようかな。あ、でもわからないな。オレも遼も、妹ふたりも来年来たいけど、やっぱり来れるかどうかわからないな。」
と海斗くんはいたずらっぽい目で大士くんをみました。
「えーー!そうしたら8と6と4の最小公倍数で等分できるように飾らなきゃだめだから、そうするとどうなるのー?□等分で飾らなきゃじゃん。そしたらもっとミッチリ感出ちゃうよ。で、どうせみんなもっと『闇』っていうんでしょ。」
みんな笑いましたが、彩夢ちゃんだけは冷静でした
「海斗くん、来年の誕生日は来るか来ないかわからないって人をからかうなんて失礼でしょ。大士くんもそっちの方をおこりなさいよ。」
問題:〇△□に入る数字を答えなさい。