灘よりムズイ?? 2020年度東大寺学園中入試算数 を総括する | 算数ソムリエブログ-中学受験突破のために-

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中学受験にまつわるココだけの話

さて、今回は奈良県の名門校、東大寺学園中入試算数の総括です。

 

過去に何度か東大寺の算数については記事を書いていますので、まずはぜひ参考にしていただきたいと思います。

 

東大寺の算数ですが、近年は本当に難しい。難易度は完全に灘中より東大寺中の算数の方が上です。

 

ご存知の方が多いと思いますが、東大寺算数の大きな特徴は答案用紙です。大問2番以降、考え方・式を書く欄が大きく設けられていて、答えが間違っていてもそこに何を残すのかで部分点がもらえるという採点方式になっています。

難易度が高い近年だからこそ、この部分点をどれだけ稼ぐかが合否に大きく影響すると言えます。

 

 

 

さて、では、それぞれ講評していきたいと思います。

 

 

【1】小問集合

(1)計算問題~2020関連~

受験生はいきなり面食らったことでしょう(笑)

普段「計算問題は絶対合わせろ〜得点必須!」と言われている人は慌てふためいたと思います。ここまで練り過ぎた計算問題、塾の模試で出題しようとすると却下されそうです(笑) ただこの計算問題は去年ほど美しい、素晴らしい、という感想は持ちませんでした。ちょっと無理矢理感が強かったかな。

 

(2)数の性質〜あまりからの数あて〜

定番のものにスパイスを加えた問題。あまり共通→差に注目→公約数  の流れ。これは確実に合わせたいところ。

 

(3)立体図形〜点を結んでできる立体の求積〜

 過去に灘などで出題された問題の類題。作図を正確にできるか、その上でどう求積するか。程良いハイレベルさで学習効果の高い問題と思います。

 

 

【2】食塩水と濃度~やりとり~

 今年の問題の中では非常にオーソドックスな定番問題。やりとりの流れ図(フローチャート)を書いて間違い無くていねいに処理すれば、割と短時間で全問正解出来ると思います。確実に得点したい問題です。

 

 

 

【3】平面図形

(1)図形の移動~円転がり~

2014年に出題された内容とほぼ同じ。どんだけこの構図好きなんだっていう…作成者のK先生の好みなんでしょう(笑)

 

 

(2)相似~ピラミッド相似~

なかなか見ない形でのピラミッド相似の出題でした。⑩:10cm=③:3cm という見方ができれば一瞬で解けますが、その見方に慣れてる人は少ない気がします。簡単そうに見えるだけに焦った人が多かったと思います。差がつく一問になったと思います。

 

 

【4】場合の数~前の場合利用~

(3)までの真意に気付いた時、ここまで高度な前の場合利用タイプの場合の数問題は見たことないなと思いました。(1)①②の真意がだんだん解き明かされていく感じが気持ち良いのですが、おそらくその域まで達した受験生はほぼいなかったと思います。(1)①②を必死で合わせて、あとは部分点稼ぎに勤しみましょうというアドバイスが適切な気がします。

 

 

 

以上、2020年度東大寺学園中入試算数の講評になります。これから東大寺の対策をどうしていくか、なかなか一筋縄では答えが見出せません。人によって、どう点数を稼ぐかという戦略が変わってくると思います。自分の身近な先生に、自分は東大寺の算数とどう戦うべきか、を具体的にアドバイスをもらいながら学習を進めていく必要があると思います。

 

それこそ、灘と東大寺を受験して合格を狙う生徒と、星光西大和東大寺を受験して合格を狙う生徒とでも、戦略が大きく変わってくると思います。

 

大は小を兼ねる的な発想で、灘対策をしていれば東大寺対策も大丈夫という時代は完全に終わりました。

 

 

過去問に取り組む際も、このK先生が作成したもの以外の年度は、東大寺対策という意味に限って言えば無意味です。

 

 

 

東大寺対策、皆さんこれから色々と大変だと思います。近年の東大寺算数対策ができる先生、的確なアドバイスができる先生は少ないと思うので、誰にアドバイスを請うか、コーチングを受けるかが命運を握ってくると思います。

 

 

 

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