最近は矮性というか、草丈が50cmくらいのものや、花がすごく大きいものがよく鉢植えされています。ご近所でもよく見ます。

 でも、この7月の後半では、ヤマユリやコレが似合いますし、咲くと安心します。

 

 

 「オニユリ」です。 漢字では「鬼百合」です。

 ユリ科、ユリ属の多年草です。

 別名に「テンガイユリ(天蓋百合)」という難しい名前がありました。

 

 

 生まれ故郷は朝鮮半島~中国、さらに南、グァム島にも暮らしているようです。

 どうも昔むかしに中国から朝鮮を経てやって来たようですが、それは食用として連れて来られた説があります。

 この変種に対馬に自生する「オウゴンオニユリ」がいる・・とか。どこにでもいる赤鬼や青鬼ではなく、鬼の中の鬼、「黄金鬼」だそうですよ。

 

 

 花はこれもユリの中でも超メジャーで有名です。

 茎は直立して細かい斑点があります。 

 葉っぱは柄がなくて互生して付き、披針形~広披針形です。スマートな葉で先が尖ります。

 

 

 このたくさんの葉っぱの下、地下には鱗茎があり、この鱗茎がヤマユリと同様に「ユリ根」として食用になります。

 このオニユリの小型版に「コオニユリ」があります。

 

 

 コオニユリはもっぱら山で会います。でもコオニユリは実生で増えるので、ムカゴは作りません。 そしたら、コオニユリは芽が出て花をつけるまでカタクリと同じくらい時間がかかって、6~8年もかかるそうです。

 

 

 花びは6つ、雄しべも6つ、雌しべは1つです。

 この雄しべの葯がまた油分も多くてネバネバです。

 なので、油断していて衣類に付いたりすると後始末が大変です。

 

 

 この花びらの反り様がスゴイです。

 カタクリよりももっと反ってます。こんな柔軟性があるのもエライ。

 

 

 世界に百合もいろいろ、でもこのオニユリ君。 実は果実を実らせることが出来ません。

染色体が3倍体なのです。(資料では九州の対馬や朝鮮には2倍体の鬼百合があるそうです)

 で、上の写真のように「ムカゴ」を作って増えます。このムカゴから芽をだして花をつけるまで3年かかりますけど・・。

 

 

 知っているようですが、いざ聞かれると、正しく答えられません。

「ムカゴって何ぁに?」・・・

 そこでまた師匠の「植物なんでも事典」の引用です。

「栄養生殖は胞子生殖・単為生殖以外の無性生殖で、むかごや不定芽を形成を形成したり、地下器官の一部が分離・独立するなどによって行われる。栄養生殖によりできた新しい個体は、遺伝形質面では元の個体と同じである。このように同一の遺伝子型を有する個体群をクローンという。むかごは腋芽が肥大したもので、落下して新しい個体をつくる。これには、葉となるべきものが肉質化して、複数個が若い茎についたもの(鱗芽りんが)と、茎が肥大して球状となったもの(肉芽にくが)とがある。鱗芽の例としてはコモチマンネングサ、オニユリなどがあり、肉芽の例としてはヤマノイモ、ムカゴイラクサなどがある」 です。

 ※芽鱗を有する冬芽も鱗芽というので、混同しないように気をつけたい。・・とあります。