何年か前に、「右巻き」と「左巻き」の割合を調べました。

 さらに、あまり巻かないものもあったり、上と下で巻きが違ったり、いろいろありました。

 

 

 それから、原っぱなどで見つけると巻く向きが気になってしまいます。

 「ネジバナ」です。  漢字では「捩花」です。

 別名が「モジズリ(綟摺)」とか「ネジレバナ」、「ネジノバナ」です。

 みんな捩れてます。

 

 

 ラン科、ネジバナ属の多年草です。

 我が家でも毎年咲いてくれるのですが、今年は姿を見せてくれません。

 図鑑では湿気のある日当りのいい草地に自生・・とあります。

 

 

 実は毎年、ウチのプランターでスミレの後に咲いて、前を通る人にアピールするのですが、今年は調子が悪かったみたいです。

 去年咲いてくれていたのを撮ってありました。

 

 

 日本全国、平地から亜高山まで・・日本以外では北はシベリアから温帯、亜熱帯も大丈夫です。

 

 

 何年か前に、月山の8号目の駐車場の脇に咲いていたのを思い出します。

 

 

 ランなのでこの根っこも菌根になって菌類と共生しています。

なのでとっても微妙というか、繊細なのですが、とっても丈夫でもあります。

 

 

 植物たちの中で進化の先をゆくラン科です。

 でも道端でも当たり前に咲いていると「ありがたみ」がちょっとなくなります。

 

 

 葉っぱは根生葉が数枚あります。

 

 

 魚津市埋没林博物館という所で調べた資料では、1708本のネジバナのうち、右巻きタイプが49.2%の840本、左巻きが868本の50.2%・・というのがありました。ほぼ半分です。

 

 

 これは右巻き。

 

 そして左巻き。

 

 

 右と左が並んでいました。

 

 

 花の付方にもいろいろあります。

 ひとつひとつゆったりと巻くもの、花の間隔が空いているもの、密集しているものもあります。

 右巻き、左巻き以外にも・・でも厳密にはちょっと捩れていますが。

 

 捩じるのが得意ではないタイプです。

 なので、♪「人生いろいろ、ネジバナもいろいろ・・・」です。

 

 

 そして、ネジバナの名誉のためですが、ひとつひとつの花も捩れていますが、捩れているのは主に子房です。さらに花径自体も捩れているので、ただの捻じれではなく、とっても複雑に捩れています。

 

 

 花はもちろんランなので、外花被片として背萼片と側萼片があり、内花被片として側花弁と唇弁があります。

 雄しべと雌しべが合着して「蕊柱」となり、このずい柱の先に葯帽があります。