ほとんど一日中陽も差さないような、そしてちょっと湿気もあって、山道ですが、ここでも一生懸命に咲いています。
この仲間はそれこそどこでも見られるくらいです。
「オククルマムグラ」です。 漢字では「奥車葎」となります。
アカネ科、ヤエムグラ属の多年草です。
別名が「チョウセンクルマムグラ」というそうです。
暮らしているのは、北は南千島~北海道、本州、南は九州まで。
寒い所から暖かい所まで広いです。
でも、里ではあまり見られず、深山幽谷の地でひっそりと暮らしているようです。
これは上越国境のブナ林で会いました。
この属の代表選手のクルマムグラとの違いが・・・
①クルマムグラは乾燥すると黒くなって、あの「クマリン(桜もち)」の香りが出るが、これは出ないし黒くならない・・。でも乾燥させないのでわかりません。
②クルマムグラは葉の先が尖らないが、これは葉先が尖る。
③クルマムグラは茎に刺がないが、これは茎の稜線上(茎に4稜ある)に下向きのトゲがあります。
などで、オククルマムグラにしました。
葉っぱは普通は6枚だそうです。 でも6枚がみんな葉っぱだと思っていたけど、実はそうではないらしい・・・
本人は教えてくれませんが、どうやら、対生につく葉が2つ、これが本来の葉っぱです。
そして残りの4つは葉と「同形の托葉」とありました。
で、写真で葉っぱを見ても、本来の葉と托葉の葉が同じに見えて区別できません。
この葉っぱの作りって、萼や苞が花びらみたいになるのと同じようなものでしょうか? さてさて、また謎になりました。
そしてどうしてこのような葉のつくり、付き方になったのかが・・
その理由は・・・もっと謎です。
花は白く小さな花で、茎の先で花茎がいくつかに分かれ、その先にいくつか花が咲きます。
図鑑の説明では「花冠は杯形、白く先が4裂して筒部はなし」
写真ではよくわかりませんが、雄しべが4つ、雌しべが1つで花柱は2裂しています。
そしたら、この名前は比較的新しく命名されていました。 1935年に植物学者の奥山春季先生(先生の名前も植物学者にぴったり)がつけたそうです。
出来る果実は分果です