これは花でも果実でもありません・・。

 ただの葉っぱです。

 でもなかなかいいデザインなので思わず撮ってしまいました。

 

 

 「ラセイタソウ」です。  漢字では「羅背板草」です。

 イラクサ科、ヤブマオ(カラムシ)属の多年草です。

 舶来物のような顔をしていますが、れっきとした在来種です。

 

 

 故郷と暮らしているのは、北海道の南部あたりから、黄色くらいの太平洋側です。

 それも海の近くの岩場や崖です。

 そんなにしても海が見たいらしい・・です。

 

 

 花は7~9月の初めくらいです。なので花もありません。

 雌雄同株で異花です。やはりカラムシの仲間なので、花は超地味です。

 細長い雄花序と、球状になっている雌花があります。

 

 

 この時期にしては葉っぱは青々としていました。

 さすがに下の葉は黄色くなっていてもうすぐ落ちてしまいます。

 そして、今回はこの葉っぱが主役です。

 

 

 上から見るとまるで十字対生になっているようですが、対生に付きます。

 形は広卵状楕円形とか倒卵状円形となっています。

 そしてこの葉の表面が主役になっています。

 

 

 暮らしているのが海岸近くなので、海からの強風雨に耐えることと、海水からの防御、真水の確保が大変のようです。

 葉っぱがシワシワになっていて、表面積を最大確保しているのもその工夫てす。

 

 

 葉っぱを触ると、ざらざら感がありますが、手触りはいい感じです。

 名前の羅背板とはもともとはポルトガル語のraxetaのことだそうです。そして同じく羅紗(らしゃ)というのが丈夫で密に織られている毛織生地のことなので、それに対して薄手でやや粗なのが羅背板というそうです。

 

 

 葉っぱの縁には細かい鋸歯もあります。

 そしてこの表面・・葉脈がしっかり凹んでいます。細かい網目になっていてちりめん皺になっています。

 

 

 出来る限り接近してデザインを観察します。

 

 

 この別名が「ヤハズカラムシ」というのと「ビロードソウ」があります。

 

 

 鋸歯の先が針のように尖っています。

 このシワシワもちゃんと計算されて設計されたものなのでしょう。

 

 

 お見事です。