数ある野の菊、野菊たち。

各地にそれぞれ進化、対応した野菊があります。

そして、今回のは植物園にあった「野菊展」で見たノギクです。

ノギクの代表のひとつです。

 

 

 「ノジギク」です。  漢字では「野路菊」です。

 キク科、キク属の多年草です。

 生まれ育ちは関西、兵庫県より西、四国や九州、瀬戸内海沿岸や太平洋側沿岸の山野です。

 

 

 植物園にあった説明には・・・

 牧野博士ゆかりの植物・・・「ノジギク」とありました。

 

 「ノジギク」は、黄色い小花を咲かる「シマカンギク」とともに西日本を代表する野生菊のひとつです。純白の花が晩秋の海岸をところどころ埋め尽くします。

 

 

 明治17年(1884年)11月、植物学者・牧野富太郎博士が22歳の時に、郷土の高知県吾川郡吾川村川口の仁淀川沿いの路傍で発見し、野路に咲いていたその花に「ノジギク」と命名しました。その後『日本植物志図篇』に掲載され広く知られることになるのですが、明治23年(1890年)、28歳の時に発表した論文で、牧野博士がつけた学名が示すように、ノジギクはイエギク(栽培ギク)の原種つまり祖先種であろうと主張しました。しかし、現在その説は、科学的に否定されています。

 

 

 

 おもに海岸線に沿って生育するノジギクですが、牧野博士が発見したとされる場所は、

海からかなり離れた山間部です。植物画に描かれた個体は、海岸域に生えるノジギクとは形態的にかなり異なり「シマカンギク」の影響を感じさせます。

 ノジギクは、日本固有種。分布域が広く地域によって変異が見られます。四国では物部川を境に東の海岸には舌状花を着けない「シオギク」、西の海岸には「ノジギク」が分布しており、両者ははっきりと住み分けています。残念なことに、現代では自生地において両種が混植されたために起こる、交雑による遺伝子の汚染が問題になっています。

 

 

 さらに、ノジギクについては

 植物学者 牧野富太郎が発見、命名した植物。海岸沿いに生育する。

 瀬戸内海沿いに生える葉質が薄いタイプを「セトノジギク」と呼び区別する事がある。

日本の野生菊のなかでも、舌状花の白さが際立つ。近年、その起源が「リュウノウギク」と「シマカンギク」との交雑によるものとする見解があり研究されている。岡山県と香川県では自生しておらず、飛んで兵庫県において見られるのは興味深い。  とありました。

 

 

 よく分枝して群生することも多いそうです。

 茎の基部が倒れて、上部が斜上することが多い。

 

 

 葉っぱは互生して付き広卵形で、5つ、または3つに裂けています。

 裂片はさらにいくつかに分かれています。

 縁には鋸歯があり、裏面に毛が密生して白っぽく見えます。

 

 

 同じ四国の地名がついてのがあります。

 「アシズリノジギク」です。 

 

 

 漢字では「足摺野路菊」です。

 

 

 図鑑では「ノジギクよりも葉が小さく、厚みがある葉で大きく3裂する」

 

 

 高知県の足摺岬の周辺や愛媛県で暮らしている野菊です。

 葉の縁も白くなっているので、やはり海岸近くのキクによく見られる葉っぱです。