植物の観察などに関心をもってしまいましたが、奥が深すぎて・・
ことし少し調べていたのが「閉鎖花」です。
普通に咲いている花と違う、植物の生きる知恵、子孫を確実に残す工夫です。
普通は「開放花」ですが、そんな言い方はしません。
そして閉鎖花も・・ちょっと肩っ苦しい感じです。
でも、植物にとっては大切な生き方です。
日本の閉鎖花は、牧野先生の資料では11科、14属、19種あるとのことです。
主な種としては、「スミレ」、「ミゾソバ」、「フタリシズカ」、「タツナミソウ」、「センボンヤリ」、「ツリフネソウ」、「ヤブマメ」、「ヒメハギ」、「ノミノフスマ」、「ヒナキギョウ」、「ハマツメクサ」、「アザミ」、「ミヤマカタバミ」、「イトツメクサ」、「オニバス」、「メドハギ」、「ムジナモ」、「キッコウハグマ」などよく知っている花にも多くありました。
そして我が家の小さなプランターにいつの間にか、何処からかやって来て、住み着いたスミレがあります。
今年は玄関近くに置いておいて、いつも見れるようにしていました。
そしたら、期待通りに閉鎖花をつけてくれました。
もっとも、スミレに言わせると「開放花」で作る果実なんて当てにならず、ちゃんと子孫を残しているのはこの閉鎖花の方が圧倒的に多い」そうです。
開放花が万が一、受粉出来ず、果実を作れない時の「保険」として、この閉鎖花を作るのかと思っていましたが、実際は逆のようです。
開放花は普通3~5月頃に野山で咲いて昆虫が花粉を媒介する「ポリネーター」になります。そして無事に受粉して果実が実ると、今度は、アリがこの果実、種子にある「エライオソーム」を求めて巣に運び、美味しいエライオソームを採ると残った種子は不要なので、巣の外回りに放置します。そしてスミレは住処を拡大していくそうです。
そして6~10月に閉鎖花をつけます。
花は開かないので余分なエネルギーを使いません。虫を惹きつける「美しさ」も必要でありません。
閉鎖花で自家受粉して果実をつくるのは確実な方法です。
種子を弾き飛ばしますが、親の暮らしている場所の近くで子孫が育つのを見れます。
この果実が熟して、種子をなるべく遠くに飛ばす・・これも大切な仕事のようです。
果実の熟した時の向き、裂ける角度などもちゃんと計算されているそうです。
飛ばされた種子は冬の間、じっと休眠して、春を待つようです。