今年の猛暑もまるで関係ないかのように道端にいっぱいです。
昔はこれが花だなんて・・いやそもそも気にも留めなかったものです。
そしてほとんど厄介者扱いをしていました。 すいません、反省しています。
「ミズヒキ」です。 漢字では「水引」です。
タデ科、イヌタデ属の多年草です。
小さい花が紅白の花序の「水引」に見立てたことから付いた名前のようです。
北海道~南西諸島、さらに中国からヒマラヤまで広範囲でしっかり生きています。
草丈は直立したり、斜めになったりですが、30~80cmくらいです。
葉っぱも地面近くで、互生し広楕円形で先が尖ります。
時々葉っぱに八の字模様が入ります。全体に粗毛があり、鞘状の托葉があります。
花は茎先~葉腋に花穂(20~40cm)を出して小花を疎らにつけています。
上の方に赤っぽい花、下に白い花・・でも花びらはありません。花びらの役をしているのは萼です。
もう花の時期が終わり近く、果実が出来てします。
この花が気になっているのは、あの佐藤春夫さんが「秋花七種」というエッセイで取り上げました。 昭和10年のことです。
萼片が紅白にならないものもあるそうで、それをギンミズヒキ(銀水引)というそうです。
さらに、紅白がランダムに入り混じったものを五色水引とかあるいは御所水引と言ったり、葉に白い模様が入る個体を斑入りミズヒキと分けることもあるようです。
図鑑では花の時期は8~10月となっていますが、近所では9月中旬にはもう終わりに近いです。この花弁のように見えるのが萼ですが、「萼片」は上の三つが赤く、下の一つが白いため、花を上から見れば紅く、下から見れば白く見えることから「水引」になりました。
花のすぐ後にできる果実も紅白の「萼片」に包まれています。
そして雌しべの花柱の先が2つに分れ、ヒッツキ虫になって通りがかった獣などにくっつきます。ヒッツキ虫です。
萼は4つに深く裂けています。雄しべは5つ、雌しべは1つで花柱が2つに分かれ、先がカギ状に曲がった感じ。萼片4枚のうちで3つが赤く、1つが白い・・なんか不思議です。
できる果実は痩果です。