この花もお馴染みです。

野菜としてちゃんと栽培されていますが、何故か、花壇にはいなくて、道端や空き地、ちょっとしたすき間にもすっと直立して咲いてます。

 

 

 「ニラ」です。  漢字では「韮」。

 ヒガンバナ科、ニラ属の多年草です。

 故郷は中国の東北部やモンゴル、シベリアあたりだそうです。

 

 

 大昔、3000年以上も前から栽培されている記録があるそうです。

 地下にある鱗茎で増えるのが多いようです。すると周りにいっぱいニラだらけになります。

 もちろん種子からでも大きくなります。

 

 

 意外だったのが、この道端にあるのが、野生種や自生種の子孫なのか、長い間栽培されてきた栽培種の子孫なのか・・がよく分らない・・そうです。


 

 特異な臭気があります。 硫化アリル類のひとつの「アリシン」です。

 みんな栄養があり、滋養もあるし、薬草でも・・って思っています。

 今年また調べると、禅宗などでは食べてはいけない食物になっていました。

 それは・・・「禁葷食(きんくんしょく)」とされます。 これには2つあって・・

①「三厭(さんえん)」と言い、いわゆる動物のこと、獣と鳥と魚介を食べてはいけない。

②「五葷(ごくん)」は臭気の強い植物で、「ニンニク、ネギ、ニラ、タマネギ、ラッキョウ」の5つが代表的なものです。

 他にも「ニンニク、ラッキョウ、アギ、エシャロット、行者ニンニク」の5つとする教えもあるそうです。 滋養強壮がつきすぎると・・?・・・
 

 

 ということで、精進料理には使われません。 

 でも昔からまぁ、薬草として使われていたようですし、古事記では「加美良(かみら)」と呼ばれ、万葉集では「久々美良(くくみら)」として出て来るそうです。

 平安の頃? 「フタモジ(二文字)」とよばれたようです。

 

 

 どうやら稲作と一緒に弥生時代に伝わったらしいです。

 歴史、由緒、伝統では負けない植物です。

 

 

 葉っぱは野菜として使われますが、今回の主役は花ですから・・

 ヒガンバナ科なので、花は外花被片が3つ、内花被片が3つです。

 雄しべは6つ、雌しべは1つです。

 

 

 野菜として、昔は薬草として

 葉っぱは「韮菜(きゅうさい)」といい、種子は「韮菜子(きゅうさいし)」とか「韮子(きゅうし)」いい、葉は止血、解毒用、種子は強壮、鎮痛作用があるそうです。 

 その毒であり薬の成分はアルカロイド、サポニン、アリル硫化物のアリインとかアリシンだそうです。

 

 

 花を半分にカットしました。

 

 

 中央の子房が目立ちます。子房は3室ありますね。

 

 

 出来る果実は蒴果です。