弟分が10倍有名です。 名前にコがつく方が、ニッコウキスゲと並んで人気かも知れません。 今回はコのない方です。
でも湿原ぽい所や、草原に似合います。
大きくて存在感では負けません。
今年もニッコウキスゲなどと一緒に咲いている所で会えました。
「バイケイソウ」です。 漢字で書くと「梅蕙草」です。
メランチウム科、シュロソウ属の多年草です。
本家はヨーロッパ~北アフリカ~シベリア、東アジア、さらにアリューシャン列島、アラスカにも広範囲で暮らしていて、日本や東アジアに暮らしているのはその亜種です。
日本では北海道~九州の山地~亜高山帯の林内や湿った草原などで暮らしています。
これと有名で人気の「コバイケソウ」は簡単に違いが分かります。でも、高山帯には「ミヤマバイケイソウ」というのがあるのですが、これは本州中部以北の亜高山帯~高山帯です。
また、このバイケイソウとコバイケソウとの間で交雑種が出来ていて、これを「コシジバイケイソウ(越路梅蕙草)」というそうです。見た覚えがないけど・・・。
これも根茎にアルカロイド系の毒があります。また、その成分から薬も作られていて、この生薬名が「白藜蘆根(びゃくりろこん)」というそうです。血圧降下剤としてつくられたのですが、その催吐作用や強毒性のため現在では使われません。
また、東雲草(しののめそう)という名で殺虫剤としても使われた、強者です。
葉っぱは30cmくらいの長さにもなり、広楕円~長楕円形で、平行脈が目立ちます。脈ごとに折れ折れ状態です。そして基部では茎を抱きます。
このバイケイソウの名前の由来は、花が「梅の花」、葉っぱが「ケイラン」に似ているからだそうです。・・・このケイランを知りません・・・
草丈は1~1.5mにもなります。茎は中空だそうです。
花は房状にたくさん咲きます。緑白色っていうらしい・・。
花びらは6つで先が尖る感じです。雄しべは6つで、葯が黄色で長くはありません。雌しべは1つで花柱は3つに分かれて外側に反り返ります。
でも図鑑には「雄しべだけの雄性花もある」となっています。
出来る果実は狭卵形の蒴果です。
この花やコバイケソウの花が終わると山は秋が近い感じです。