ナデシコと言えば、現在では「なでしこジャパン」が有名です。 

ちょっと前では「ナデシコ」と言えば理想的な日本のご婦人・・最近はなんでもハラスメント・・になってしまうのでもう死語かもしれません。

 実際にも絶滅危惧種でしょうか。

 

 

 そして花の世界では「カワラナデシコ」でしょう。

このカワラナデシコの別名が「ヤマトナデシコ(大和撫子)」なのです。

 

 

 そして山では「シナノナデシコ」や「タカネナデシコ」です。

 今回の主役はこの「タカネナデシコ」です。 漢字では「高嶺撫子」です。

 

 

 ということは、カワラナデシコ=ヤマトナデシコ、理想的な日本女性、その高山型=「タカネナデシコ」、つまり「高嶺の花」でしょうか。

 

 

この花、高山植物だねって言ったら、本人もちょっと気恥ずかしいようです。

 けっこう花壇にも仲間がいるし、ヨーロッパノヤツとか、園芸品種も多くなっているので、高山で咲いていてもなんか珍しくないような目で見られているとか・・。

 

 

 ナデシコ科、ナデシコ属の多年草です。

 北海道~本州の中部以北の山地~高山帯の岩礫地などで生きています。けっこう厳しい環境です。日本以外でもユーラシア大陸の北部でも暮らしています。

 

 

 この基本種は北海道に多いエゾカワラナデシコだそうです。これの高山での適応型がこのタカネナデシコだそうです。

 そして、一般に多い七草のカワラナデシコは花弁の切れ込みがタカネナデシコよりも浅く、萼の基部にある苞が3~4対あり、その先が芒状に長く伸びて尖ります。一方、基本種のエゾカワラナデシコは苞が2対でその先は尾状で短く尖ります。この外見の違いは、低地で生きるものと高山で生きていけるものの違いですが、本当はもっと不思議な生理的な違いがあるのでしょうか・・?。

 

 

 このタカネナデシコは、花をつける茎の葉と付けない葉が違うそうです。花をつける茎の葉は小さく、花をつける茎の葉は線形だそうです。

 花は茎先に1~3個付き、紅紫色が基本ですが、まれに白花の「シロバナタカネナデシコ」がありますが、まだ山で逢っていません。

 

 

 花びらは5つ、雄しべは10本、雌しべの花柱は2つになります。萼は筒形で先が5裂して基部に2対の苞があります。そしてちょっとややこしいんですが、この基本種の「エゾタカネナデシコ」は苞が1対です。

 

 

 ナデシコも氷河期に日本にやってきたのかもしれません・・。

 田中澄江さんの花・百では「斜里岳」の花になっています。