あっという間に夏至も過ぎてしまいました。 今回から夏の花です。

 

 この花も最近は花壇よりも道端、花壇の外に出てしまいました。

 「ムシトリナデシコ」です。  漢字では「虫取撫子」です。

 

 

 ナデシコ科、マンテマ(シレネ)属の1年草です。

 生まれ故郷はヨーロッパですが、今や世界中に勢力拡大中のようです。

 

 

 草丈は30~60cmくらい。

 葉っぱは対生で形は卵形や広披針形です。そして葉の基部は茎を抱いています。

 

 

 そして茎の上の方、葉っぱの下に節みたいなところがあり、ここから「粘液」を出すのです。

 これがネバネバで、アリなどが上ってくるとくっついてしまいます。

 これで「虫取り」する花だとなりました。

 

 

 でも本人は「虫取りするつもりはない」そうで、ノアザミと同じかもしれません。

 

 

 だいたい①「ナデシコ」は「虫が苦手」だそうです。

②でも「ナデシコ」はもう人間世界では「絶滅危惧」とされているそうです。

③なので「ムシトリナデシコ」は植物の世界にしかいないそうです。

 

 

 日本には江戸時代の終わり頃に連れて来られたそうです。

 花は紅色ですが、希に白い花もあるようです。

 花びらは5つ、萼も5つです。 雄しべは10、花筒も同じ色になっています。

 そして気になるのが雄しべ、雌しべと一緒にあるモノ・・。

 

 

 例によって、「付属体」としている図鑑があり、「副花冠」、「小突起」「小鱗片」「副花冠状の鱗片」とみんな名称もバラバラです。

 やっぱりマンテマの仲間には同じようなものがあります。近縁のセンノウ、「ムギセンノウ」では解体して見ました。自分的には副花冠にしています・・。 

 

 

  ナデシコ科なので「雄性先熟」の仕組みで自家受粉を避けています。

 そしたら、今年調べてさらに、この10本の雄しべ。 なんと、5が早く成長し、あての5本は遅れて出るそうです。また、10本が同時に成長するのもあるそうで、その違いはわかりませんが、複雑な仕組みをもっているようです。

 

 

 果実が出来ているのもたくさんありました。

 その果実は蒴果です。