ツバキ、ウメ、サクラ・・・樹木の代表・・。

 そしてツツジ。

 今年も桜と同時くらいに咲き出しました。花はもう後半です。

 これから、サツキのシーズンになります。

 

 

 「ツツジ・サツキ」です。

 ツツジ科、ツツジ属の常緑低木です。

 ツツジに関する資料も膨大にあります。

 そして古典園芸植物ですから、歴史的にも奥が深すぎます。

 

 文中の内容と写真のツツジとは関係ありません・・。

 

 

 世界に850~1000種もあるそうです。日本には自生種が50種くらいが暮らしているそうです。 なので、昔から愛され、栽培され、品種改良もたくさんあり、庭木、街路樹、盆栽・・なんでもありです。

 でも「ツツジ」と「サツキ」って何が違うと言われても・・わかりません。

なので、能書き好きとしては去年の復習からです。

 

 

 で、まずは「ツツジ」と「サツキ」の違いから・・

①一般的にはツツジが花や葉が大きく、春に咲き、サツキは少し遅れて初夏の頃に咲く。

②ツツジの葉は狭楕円形~卵形で毛が多く光沢はないが、サツキは葉裏に光沢のある硬い葉です

③ツツジは2~5輪付くのが多く、サツキは1~3輪咲く。

④新芽が出る時期も違い、ツツジは開花後に出るが、サツキは出ない。

 などが違いとしてありました。

 ツバキとサザンカくらいの違いがあれば・・と思いますが、そうはいかないようです。

 

  

 でも、ツツジとサツキの違いは実際の花を見ても本当はよく分からないです。

 

 サツキもツツジの1つなので、まずはツツジ属についてです。いろいろと分類がありました。属の下なので、亜属となりますが、主には以下のように分けられます。

①「セイシカ(トキワバイカツツジ)亜属」 常緑アゼリアと言われる。

②レンゲツツジ亜属、③ツツジ亜属、④シャクヤク亜属、⑤ヒカゲツツジ亜属、⑥バイカツツジ亜属、⑦エゾツツジ亜属、⑧カンディダストルム亜属・などに分けられます。

 

 

 でも一番大きい分類は「ツツジ」と「シャクナゲ」でしょう。普段見るのは葉の形状や花の付方なので、なんとなく分かります。

 

 日本には野生のツツジが40~50種あると言われています。

 その日本の自生種は9つのグループに分けることができるそうです。  

 

 

次に芽の中で葉が外巻きにたたまれ若枝や葉に円形鱗片毛のないもの、このグループには7つあります。

 でも、この時期にたたまれた葉や鱗片毛の有無・・なんて見ませんし・・。花の咲いている時期にしか見ないので・・本当の見分け方は難しいです。

 

 

 図鑑そのままですが・・ややこしいく難しかったです。

先ずは①芽の中で葉っぱが外巻きにたたまれ若枝や葉に円形鱗片毛のあるもの、常緑で花芽が1つ頂生して2つ以上の花が咲く⇒「ヒカゲツツジ群」と、

②落葉して花芽が1~4個頂生しそれぞれに1花を開く「ゲンカイツツジ群」があります。

 

 

 ③芽の中で葉が外巻きにたたまれて、若枝や葉に円形鱗状毛がないもの、これ中に7つの群があります。

 ここからややこしくなるのでスルーしてください。

 花芽が1~数個側生するものがあり、これが①「バイカツツジ群」で花芽が枝端に調整します。

 そして、花が頂生の花芽に生じるものと、花が頂生の混芽中に葉とともに生じるものとに分かれます。

 

 

 花が頂生の花芽に生じるものには3つの群があり、

 葉っぱが革質で常緑の②「シャクナゲ群」

 葉が薄く落葉性で花冠が筒状、放射相称の③「オオバツツジ群」

 花冠がロート状で広く開き左右相称のもの④「レンゲツツジ群」があります。

 

 

 花が頂生の混芽中に葉とともに生じるものには、2つの群があります。

 葉が春にでても冬を越さずに3~5個がやや輪生するものが⑤「ミツバツツジ群」です。

 葉が春と秋に出て秋の葉が冬を越し、幅広の毛がある⑥「ヤマツツジ群」です。

  以上はみんな花序が散形・散房のものです。

 そして花序が総状花序になるものが⑦「エゾツツジ群」があります。

 

 

 まだ花の咲く前の花芽の状態などからの区分ですから、花をいくら見ても分からないようです。 

 まぁ、難しい区分は・・そういうことで、横に置いておきます。

 普段ご近所で見れるので多いのが、この難しい区分の⑥の「ヤマツツジ群」だそうです。

「ヤマツツジ」「キリシマツツジ」「ミヤマキリシマ」「サツキ」「コメツツジ」「モチツツジ」「キシツツジ」などです。

 

 最近近所では人気上昇中のヒカゲツツジ系でしょうか。

 

 

 それに加えて500種以上もある園芸品種が植えられているので、分からなくて当然でしょう。 園芸品種で人気があるのは「クルメツツジ」「オオムラサキ」「シロリュウキュウ」「ムラサキリュウキュウ」「ヒラドツツジ」などです。

 

 

 園芸品種の代表「クルメツツジ」でしょう。

 江戸時代の後期に九州、久留米藩で作られたといいます。 有名な「キリシマツツジ」の親戚のようです。

 

 

 ヤマツツジは、枝先に朱赤色の花が先、2~3輪付きます。

 花びらは当然、5つですが、雄しべが5本で葯は黄色。

 葉が2種類、半常緑性っていうのでしょうか。春の葉は落葉し、夏に出た葉がそのまま冬を越します。北海道などでは寒いので落葉性が強いそうです。

 白い花もあり「シロヤマツツジ」と言います。

 

 

 

 

 

 

 

 自分にとって親しいのは「ヤシオ」と「レンゲツツジ」です。

 

 レンゲツツジは高原などで大群落になっているのがあります。

 でもレンゲツツジは「有毒」なので、現在のように「シカ」が増えすぎている山野ではシカが食べず、牧草地では牛や馬も食べないので他のがシカに食べられてしまう名かで、アセビなどと一緒に残っています。

 「キレンゲツツジ」という花が花色が珍しいので有名です。

 

 

 で、長年不思議というか謎だった・・ツツジの漢字・・「躑躅」ですけど。

 この「躑躅はテキチョクと読めます。テキチョクとは足踏みしている様子」だそうで、中国で羊がコレを食べて毒にあたって地面を打ちながら死んだのを漢名で「羊躑躅」となったのがもとのようです。

 この難しい感じ、両方ともに「見る人が足を止めて見入る美しいもの」「立ち止まって見る」という意味だそうです。

 

 

 「立てばしゃくやく、座ればボタン、歩く姿はユリの花」ですが、それに付け加えて「立ち止まって見るのはツツジの花」でしょう。

 

 

 上のは「オンツツジ」だそうです。 「雄躑躅」です。

 日本の野生種の代表の一つ。

 別名が「ツクシアカツツジ(筑紫赤躑躅)」です。

 個人的に謎なのは、なんで「雄」なのか?


 

 そしたらなんと「メンツツジ(雌躑躅)」というのも別にあるそうです。

 どこにあるの?⇒高知や愛媛、紀伊半島、九州の一部だそうです。

 フジの花色に似ているので「フジツツジ」という和名だそうです。別に「ヒュウガツツジ」ともいうとか・・。 オンツツジに対して優しい感じなので「メンツツジ」というとか・・でもそれは昔のことです。

 

 

 ヤシオツツジ

 

 

 

 葉っぱの形状、枚数、付方などが特徴になっているものもあります。

 また、雄しべが5本、10本もポイントです。

 やっぱり・・江戸時代からの古典園芸植物だし、奥が深すぎです。

 

 

 万葉集にも詠われているこのツツジです。

 当たり前に見ていましたが、とんでもない世界です。

 

 

 簡単なことかと思っていた、なんで雄しべが5本と10本のがあるのか・・というのも、よく分かりません。