春の奥多摩や秩父の山道で出逢ったのが想い出です。
その時はもうかなり前のことですが、日当りのよい林道脇から道路面に倒れるようにたくさん咲いていました。
「キケマン」です。 漢字では「黄華鬘」です。
ケシ科、キケマン属の1年草です。
「ツクシキケマン」の変種とされています。
このキケマンは本州から沖縄までで暮らしています。中国にもいるそうです。
元のツクシキケマンは「筑紫」ですから、九州が本家のようです。
葉っぱは1~2回羽状複葉です。小葉はさらに細かく裂けています。
花びらは4つあります。 内片と呼ばれるものが2つ、外片が2つです。
内片の花びらは2つが先が合着して唇形の開口部から少し見えるが、多くは花弁の筒状の中で見えません・・。
外片2つが上下で1組になって筒状になります。この花冠の先が唇形に開いて上側の花びらが後ろで距になります。
少し前に里で咲いていたムラサキケマン(ヤブケマン)ですが、キケマン属の仲間にもいろいろ会いました。これから夏山になるとまた違うにも会えるかも・・。
ヤブケマンは八方美人で好き勝手な方向に咲きますが、このキケマンはだいたい同じ方を見るように咲きます。
雄しべが2つ、雌しべは1つです。
果実が出来ているのがありました。
果実は蒴果です。
なんかマメ科のような・・数珠状にくびれています。
中の種子にはエライオソームがついているそうです。
いやな臭いも少しありますが、それより全草有毒だそうです。