ジャーマン・アイリス、シャガ、そして日本固有種のヒメシャガ・・
そしていよいよ本格的にこの仲間が咲き出しました。
まず最初は「イチハツ」です。 漢字では「一初」とか「一八」ですが、別に「鳶尾草」とか「子安草」、「水蘭」などとも呼ばれます。
アヤメ科、アヤメ属の多年草です。
故郷は中国です。中国中部~南西部、さらに南のミャンマーの北部のようです。
日本には室町時代に連れて来られたようです。
まず、名前は「イチ」と「ハツ」で、この仲間のアヤメでは一番早く咲くのでついた名前。マンサクみたいです。
でも、シャガの方が半月くらい早く咲きますよ・・。
現在、園芸店で売られている「イチハツ」はジャーマン・アイリスの一品種の「ニオイイリス」が多いそうです。
図鑑では、地下には黄色い根茎があり、葉はやはりシャガのような剣形です。葉の中央が盛り上がりません。全縁です。
花は藤紫色の綺麗な色です。これに白花があるようで「シロバナイチハツ」というそうです。
この仲間のアヤメもいろんな種類があり、これから梅雨時にかけてハナショウブなどで楽しみになります。
この時期なので気になるのは似ているのはジャーマン・アイリスなどとの違いです。
一番の違いはトサカのヒラヒラとブラシ状の違いです。 ジャーマン・アイリスは柔らかいブラシのようになっています。
イチハツは花びらの基部から中央にかけて白いトサカ状の突起になっています。
外花被片は3つ、倒卵形で先が丸みがあり、濃い紫色の斑点があります。
内花被片も3つで外花被片より小さくて縁が大きく波打っているように見えます。
でも、まぁこのアヤメの仲間のこの花のデザインにも感心するばかりです。お見事。
雄しべ、雌しべもユニーク。
外花被片に覆いかぶさるように突き出ているのが雌しべの花柱が変化したものです。
最初、これが雌しべだとは信じられませんでした。
雄しべはこの雌しべの花柱の下にまるで隠れるようにそれぞれに1つずつあります。
出来る果実は楕円形の蒴果です。
別名の「トビオグサ(鳶尾草)」は花の中央の雌しべ花柱が・・鳶が木に止まっていて、羽を休めている様子・・だそうです。 素晴らしい・・。見たことないけど・・。
鳶に見えない・・・悲しい。