樹木観察、自然観察では必ず紹介される植物でしょう。

 その果実に出会いました。

 でも、ついつい葉っぱに注目、関心が行ってしまいます。

 

 葉っぱが多い写真はひと月半くらい前のものです。

 若い果実のは1か月くらい前でした。

 

 「コクサギ」です。  漢字では「小臭木」です。

 

 

 もう多くは葉も落ちていますが・・・

 ミカン科、コクサギ属の落葉低木です。

 別名が「ワジョウサン(和常山)」です。 山の名前そのものだし、〇〇寺とつけば寺院だし、

まわしを付ければ力士です。

 

 

 クサギの名前で、クサギの子分のようですが、クサギはクマツヅラ科です。全く赤の他人です。

 花は春盛りの4~5月です。

 黄緑色の地味な小さい花です。 その努力の結果、果実がついています。

 

 

 この果実は4つの分果です。晩秋に熟してひとつひとつが2つに裂けて、黒い種子が飛び出します。これはちょっと奥手・・熟するのが遅いようです。

 

 

 果実の出来始め?・・やけに白っぽい。 

 

 

で、熟して種子を飛ばしたのがありましたが、反対を向いていて・・こんな後ろ?姿です。

 

 

 で、このコクサギが話題となるのが、この葉っぱの付方です。

「コクサギ型葉序」と言われます。

 簡単に言うと、葉が「縦方向に出る枝と横方向に伸びる枝では異なる付方で、タテでは4方に、横では左右に交互に2枚ずつ出ます」

 本当は複雑のようで、前川先生の論文に詳しいのですが・・・

 

 

 右右、左左、右右というように出ると説明されますが、前川先生は「180度、90度、180度、270度、180度、90度・・」と茎に対しての開度が特異のパターンで変化するものです。

 十字対生から互生へと進化する中間として説明もされています。

 コクサギの他にもサルスベリ、ナツメ、ウワミズザクラ、ヤブニッケイなどでも見られるようです。

 

 

 なので、ちょっと独特の臭いがあるので、「なんだ、コクサギか・・なんて言ったらダメ。」

「失礼します。葉っぱを見せて下さい」と言わなくてはなりません。

 

 で、果実が熟してきました。

 

 

 独特の実の付方、果皮です。

 

 

 こんな風になってきました。

 

 

 そして、カットして見ると・・