去年と同じ場所にありました。

 今年も殆ど誰にも気づかれませんが、本当は鳥に見つけてもらえればいいので、人が見つけても本人は嬉しくないそうです。

 

 「ジャノヒゲの果実」です。 漢字では「蛇の髭」です。

 

 

 キジカクシ科、ジャノヒゲ属の常緑多年草です。

 生まれ故郷は、東アジアです。日本~フィリピン辺りまでです。

 別名が「リュウノヒゲ(竜の髯)」です。 なぜか蛇と竜ではヒゲの字が違うんですけど・・なぜかは分かりませんでした。また、「ネコダマ(猫玉)」という名もありました。

 

 

 葉っば、普段はこの細長い葉っぱしか見れませんが、この葉を竜の髯に見立てたのです。

でも種明かしは去年、知りました。

 もともとは「尉(じょう)の髭」でした。 尉とは能で使う、能面のうち、老人の面を言うそうです。この葉っぱの様子を能面の鬚(こんどはこのヒゲの字ですけど、あごひげに見立てたのだそうです)。 まぁいいか。

 

 昔から人の役にも立っていました。それは、この根っこを生薬として利用していました。

鎮咳、強壮剤などです。

 花もなかなか見るチャンスがありません・・葉っぱに隠れて見つけるチャンスが・・

 花びらが6、雄しべ6、雌しべ1つで、白くてノシランの花みたいです。

 

 

 そして出来る果実は液果です。 果実が出来ると表皮がすぐにむけてしまい、種子が直接出て実ります。

 いい色です。

 

 で、中公新書の「虫や鳥が見ている世界」浅間 茂著 によると、

東京東部と千葉の市街地にあった鳥が散布する果実51種類で調べると

①赤色系統 41%なので21。

②黒紫色系統が29%で15種類。

③オレンジ系統が21.6%で11種類だそうです。

 この青紫色、少数派みたいですね。