この時期の雑木林などを歩いていると、コレによく出会います。花も知っていますし、名前も一応知ってますが、ただ知っているだけでで・・中身のことは何も知りません。

 冬になっても、すっと立っているんです・・、なんかちょっと近寄りがたいのでした。

 

 「ウバユリ」です。 漢字では「姥百合」です。 また「乳母百合」でもいいのかな?。でも殆どは「姥」です。

 

 

 ユリ科、ウバユリ属の多年草です。

 関東以西~九州に多くと書いてありますが、東北の山でもしっかり生きています。・・で、調べると北海道に暮らすのは「オオウバユリ」というのだそうです。花が10~20個も咲くそうです。

 草丈は50~100cm、茎は中空です。

 

 

 花は筒が長いラッパ状の6弁(3枚の内花被片と3枚の外花被片)です。面白いのが、他の百合の花とはちょっと雄しべの感じが違います。 雄しべは6本で雌しべに沿うように並び、その長さが違うのです。これも現物でないと文では分からないなぁ。・・で探したらこんな花がありました。
 

 

 そしてこうなってます。

 

 

 出来る果実は蒴果です。この果実が3つに裂けるのですが、この割れ目には格子状に細かい糸のような繊維でつながっています。 で、気になって、ひとつ持ち帰りました。

 科捜研で分解しようと、カッターを入れたら、これが意外と難しく、力を入れて無理やりカットすると種子がすごい量・・・こぼれ出します。

 まわりに翼がついていて、薄くてよく回りながら飛びます。風で少しでも遠くへ旅に出たいようです。

 

 

 また、根っこ、鱗茎ができますが、これが優良なデンプンがあるようです。

 薬にもなるそうで、解熱薬や強壮剤になるとか・・。

 

 

 で、肝心の名前の「姥」は、もちろん、子守のことですが、子供、乳飲み子が大きくなって成長する頃には、この姥さん、年寄りになって歯が落ちるのを、この植物が花の咲く頃に葉が枯れるのを例えた・・とか。