本当は秋の花の代表の一つです。今年はまだ山道、郊外の里山では咲いています。

 植物園にもよく栽培されていますが・・なぜか、近所の花壇には入れてもらえません。

 でも、有名な方の「七草」には選ばれています。

 

 「ワレモコウ」です。  

 

 

 漢字では「吾亦紅」、「吾木香」「我毛紅」「我毛香」「我妹紅」・・・

 バラ科、ワレモコウ属の多年草です。

 日本だけでなく、中国、朝鮮、シベリアまで暮らしているそうです。

 漢字の表記もいっぱい・・別名も「ダンゴバナ」「キュウリグサ」「ボウズバナ」「ノコギリソウ」などとも呼ばれているのですが、すごいヤツです。

 

 

 ワレモコウ・・「我もこうありたい・・」と教えられました。なんか「アスナロ」のような感じです。

 

 前川文夫先生の説では「御簾の上にかぶせた帽額(モコウ)につけられた木瓜(もこう)紋と

ワレモコウの花やツボミが似ていて、割れ目があることから⇒割木瓜(ワリモコウ)

 また、織田信長の家紋「木瓜紋」が割れた形に似ているのを「割木瓜」といったそうです。

 

 このワレモコウ、源氏物語にも出てくる植物だそうです。最近、すごい写本とされているあの藤原定家(テイカカズラの人)が校訂した「若紫」が見つかったそうです。でも、このワレモコウは42帖の「匂宮(におうのみや)」に匂兵部卿が庭に、このワレモコウを植えるシーンがあるそうです。

 

 

 葉っぱは互生します。奇数羽状複葉で、小葉は5~13枚、細長楕円形です。鋸歯があります。

 

 花は最初の頃はどれが花?って感じでした。 萼が4つありますが、花びらはありません。

雄しべは4つで葯は黒、雌しべは1つです。雄しべは萼よりも短くて外に出ません。

 

 

 根っこにタンニンやサポニンを含み生薬の「地楡(ちゆ)」になります。止血ややけど、湿疹に効果があるそうです。

 出来る果実は痩果です。

 

 おまけ・・・

 以前に調べた時の「ワレモコウ」の話です。

 この花を秋の七草に選定しているのが

①本田正次先生(東大植物学教授、エッセイスト)と篠遠嘉人先生(植物学遺伝学者)が作りました。『見渡せば 今も秋野に 乱れ咲く 花かぞおれば 七草の花』『ホトトギス ノギク カルカヤ ヒガンバナ マツムシソウ またワレモコウ リンドウの花』と詠みました。

②マミー・川崎さん(日本最初のフラワーデザインの先駆者です。)

 ワレモコウ ケイトウ クズ コスモス オミナエシ ムラサキシキブ ヨウシュヤマゴボウ

 

 また、名前のついて時の話・・

 命名するときにこの赤黒い花の色は何色としたらいいのか・・議論があって、チャ、コゲチャ、ムラサキ・・と、するとその時に、どこからか「いや、私は断じて紅です」という声が聞こえてきたそうです。その声を聴いた選者は「花が自分で言っているのだから、間違いない」というので、「我も紅」⇒「ワレモコウ」になったのだそうです。

 

 

 

 そして、最近はこの白い花が多くなっているようです。

 

 

 「ナガボノシロワレモコウ」です。 漢字では「長穂吾亦紅」です。

 山道などではこんな感じです。

 

 

 上記のワレモコウの白花品種があり、これを「コバナワレモコウ」と言うらしいのですが、このコバナワレモコウとワレモコウの自然交雑したのがこのナガボノシロワレモコウのようです。

 でも安心出来ません。このナガボノシロワレモコウには濃紅色の品種があるそうです。

そうなると・・多分見わけも出来ないし、名前は「ナガボノアカワレモコウ」でいいようですが、、それとも「ナガボノシロワレモコウのベニバナ・・?」ですか・・。

 

 

 葉っぱは奇数羽状複葉で小葉は5~15枚。

 

 白くて長い穂なので、垂れ気味になります。

 花は萼片が4つ、雄しべは4つで葯の黒がチャームポイントですかね。

 日本だけでなく、アジアやヨーロッパ、北米にも暮らしているそうです。