たまに刺激が欲しくて行くのが「薬用植物園」です。薬科大学が研究用として栽培しているので管理状態もよいのがいいです。そして、なんじゃコレっていうのに会える楽しみもあります。今回もそんなひとつです。
「ツノゴマ」です。 漢字では「角胡麻」です。
ツノゴマ科、ツノゴマ属の1年草です。
生まれ故郷は北アメリカの南部からメキシコにかけての亜熱帯~熱帯です。
でも、いつ頃日本に連れて来られたのかはよくわかっていないようです。
もうひとつ、なぜ「薬用」植物園にあるのかがイマイチわかりません・・です。
最大の謎は果実です。花から果実の形は全く想像も出来ません。
別名が「ユニコーン・フラワー(一角獣花)」、「デビル・クロー(悪魔の爪)」「旅人泣かせ」などです。この別名だけでも最初はウキウキします。 特に、ユニコーン・フラワーは英国王室の紋章だそうです。すごい、日本なら「菊の紋章」です。
葉っぱは互生して心形、桐の葉にも似た感じです。やや波打って、腺毛も多くベトベト、そうです。葉も茎もベトベトです。
草丈は60~100cmとされていますが、なんかデレーェェェってしてて、這うように茎が横になって倒れているようです。
花は早いと5月頃から咲いて、夏がメインのようですが、なぜか秋の真っ盛りでもしっかり咲いてました。季節が2週間くらい遅れているとか、ちょっと暖かいと熱帯の植物なので咲いちゃうのかも。
花は乳白色~淡いピンク系で、花冠は筒状になっていて、先が5つに裂けています。
萼片は5つ、雄しべが4つで2つが長い雄しべです。雌しべは1つ。 いわゆる唇形花です。
花冠の内側に黄色い模様があります。蜜標だと思います。
そもそも名前はこの花がゴマの花に似ている・・ということで、果実が角になるので付いた和名です。でも「悪魔の爪」がいい。
で、花が終わって、果実ができます。 果実は蒴果ですが、これがどんどん大きくなって、木質化していきます。そして、外果皮が2つに裂け、今度は内果皮が端から裂けて先が2つの湾曲した釣り針のような、爪状の突起となっていきます。
これがアメリカ南部やメキシコの動物にくっついて運ばれ、種子がばらまかれます。でも、運悪く、足などに刺さってしまったり、食べて内臓破裂することもあるそうです。
それでも、この若い果実をピクルスとして食べるそうです。
以前、花が黄色い「キバナノツノゴマ」と言うのを見ましたが・・最近はご無沙汰です。