困ったときの「ハクサン・・」また、「シラネ・・」、「シロウマ・・」って頭に代表的な山の名前をつけてそれらしくし、もっとわからないと、「ミヤマ・・」とか「タカネ・・」で誤魔化します。
でもこれは違います。山で出逢えるランの中では代表的な子です。
「ハクサンチドリ」です。 漢字では「白山千鳥」です。
ラン科、ハクサンチドリ属の多年草です。
北海道~本州の中部以北の亜高山~高山帯の草地で生きています。
日本以外でも元気で東北アジア~アラスカでも仲間がいます。
根が掌状に分かれて肥厚しているそうです。
葉っぱは3~6枚くらいで、長さは4~15cmほど。不思議ですが、北方で生きているものほどこの葉の幅が広いそうです。太陽の光が少ないからでしょうか?
花は紅紫色で総状に10数個~数10個も咲きます。
苞が披針形で先が鋭く尖ります。
花を説明するのは・・図鑑で「・・背萼片は0.7~1.1cmで、側萼片は背萼片よりやや長く、側萼片は萼片より少し短い・・萼片と花弁はともに鋭く尖る。唇弁は扇形で大きく3裂して中裂片は先が尖ります。・・」
でもこの形状には変異も大きくてこれしかない・と信じていると実際の花を見てわけが分からなくなってしまうことはよくあることです。・・・
蜜をためる距が1cmくらいです。蕊柱は短く、雄しべは3本ですが、ちゃんと機能するのは1本で、あとの2本は退化しているそうです。
花色姿の美しさとは別にその構造は難しいです。
この基準標本は加賀の白山かと思ったら、シベリアだそうです。シベリアの荒野にもきっと可憐に咲いているのでしょう。
この花に白花があるそうで「シロバナハクサンチドリ」というそうです。また、葉に暗紫色の斑点がある「ウズラバハクサンチドリ」・・二人とも会ったことありません。