湿地の中ですが周りのイネ科に負けないくらいの草丈があり綺麗な花を咲かせていました。
 いつも秋の花として見ますが、こんな時期だったっけ?、でも山の中なので里より遅い?かも・・。
 立秋も過ぎ、お盆も終わりなので、もう表題も「秋の・・」でもいいけど、この暑さだし。
 
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 「サワギキョウ」です。 漢字では「沢桔梗」です。
 キキョウ科、ミゾカクシ属の多年草です。
 北海道~九州の山地の湿地、湿原などで生きています。日本以外でも東アジア、シベリア、北米、メキシコなど世界には仲間が200種くらいいるそうです。
 
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 50~100cmくらいです。今回は芦原などの湿原の中なので、近くで撮れませんでした。枝分かれしないでスッと直立しています。
 葉っぱは無柄で披針形です。互生してついて鋸歯があります。茎の上の方に付く葉ほど小さくなっています。
 
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 花は濃い紫色でなんとなく「秋の雰囲気」です。
 花は先が大きく5裂しています。唇形で、上唇は2裂、下唇は3裂します。萼も鐘形で5裂します。
 
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 サワギキョウ・・名前もいいし、初秋を先取りしました。
 園芸種もあって、花が青、ピンクや紫、サーモンなどの色も作られているようです。
 全草が毒で「ロベリン」という成分です。 

 

 

 白花のを「シロバナサワギキョウ」、ピンク色のを「モモバナサワギキョウ」。

 園芸品種も作られていて、一般的に流通しているのは「宿根ロベリア」と呼ばれ、北米生まれ「ロベリア・カージナルス」を親に交配したものだそうです。

 

 茎は直立して結構背が高くなります。この茎、中空のようです。

 葉っぱはらせん状に互生してついて、カタチは披針形です。縁には細かい鋸歯があります。

 

 

 花はちょっと変わった2唇形で、上唇は2つにわかれて左右に翼のように広がります。下唇は3つに分かれます。よく見ると花に細かい毛がたくさん生えています。

 萼は鐘状で5つに裂けています。

 

 

 キキョウ科の花の特徴の雌雄異熟で、この花も「雄性先熟」です。

 資料からの受け売りですが・・

 まずは雄しべ、5本あるのですが、葯と花糸がくっついて筒状になっています。筒状の葯の先に白い毛がたくさん束になっています。ハチが訪れてそれに触れると毛の根元にあるフタが開き、淡黄色の花粉が次々に出て花粉に付きます。虫が花から離れると毛のフタ状のものが元に戻り、花粉が無駄に出ないように抑制する仕組みがあるそうです。

 これがくり返し、花粉が出終わると葯が裂けて、雄しべがはなれ、今度は雌性期になって、雌しべの花柱が出て、柱頭が2つに裂けて花粉を受けるようになります。

 

 

 田中肇先生の「花と昆虫がつくる自然」の中で

『雄しべの筒の中にある花粉は、雌しべの先端でギュウギュウ押されているのだが、毛が出口の穴をふさいでいるため外に出られないでいる。ところがマルハナバチが訪ねて蜜を吸おうとすると、ハチの背中はその毛を押し曲げることになる。すると、雄しべの先の穴が開いて中から花粉が絞り出されてハチの背中ニツク。ハチが何回も訪れて花粉をすっかり押し出してしまった雌しべはやがて雄しべの先から頭を出し、訪れたマルハナバチの背中から花粉を受け取る』 と解説してくれています。

 

 

 出来る果実は蒴果です。

 で、全草に強いアルカロイド系の毒を持ちます。