この花は役所の生垣です。こんなにたくさん咲いているのに出会えたのはラッキーでした。有名な花ですから、花の様子はよく知られています。
 また、名前の謂われも有名なので、歴史に詳しい方に笑われない様に・・したいです。
 
 
 
 「テイカカズラ」です。 漢字では「定家葛」です。
 キョウチクトウ科、テイカカズラ属のツル性常緑低木です。低木でも3~4mくらいにはなってます。
 
 
 本州〜九州、朝鮮半島で暮らしています。そして有毒植物です。
 
 
 で、簡単に登場人物をみると・・
 主役の定家はもちろん「藤原定家」さんです。平安時代末期の当代きっての歌人です。そして、ヒロインは「式子内親王」です。彼女は超有名な「後白河法皇」の第三皇女で、49歳までというか、生涯独身で病気で亡くなってしまいます。
 
 
 この式子内親王を慕いつづけたのが定家さんですが、まあ、平安時代のことですから、今の規範では良し悪しを決めつけることが出来ません・・。で、彼女の死後も定家さんは慕い続けのです。そして、この定家さん、死後になっても慕いつづけ、彼女の墓石に蔦葛になってまとわりつきます。一方の式子内親王の霊は蔦葛のまとわりつくのが苦しくなって、この苦しみを旅の僧侶に訴えます・・
 そんな様子を能の『定家』で演じます。
 
 
 そしたら、去年知ったのですが、なんと、「定家」ではなくて「庭下(ていか)」が正しくて、庭の下の方で咲く葛の花を意味しているという説があるそうです。そしてこっちが有力だとか・・それじゃあつまんないでしょ・・。
 
 茎から気根を出して他に着いて、茎表面にたくさんの気根の出た痕跡が残り、樹皮にたくさんの突起があります。
 葉は対生について、上につく葉は楕円形です。下の葉はツルのはで小型で波打つ感じ、浅い鋸歯があります。茎や葉を傷付けると白い乳液が出ますが、これも毒です。葉は鋸歯が無い全縁で、革質、光沢があります。
 
 
 花は房状の花序が垂れ下がった所について、花弁の基部は筒状で先が5つに裂けて横に広がります。そして、プロペラ状に捩れています・・。
この捩れの理由・・いつもこの花を見ると不思議で・・楽しくなります。
 
 
 花は花冠の中央に濃黄色の副花冠があり、その中心に白い葯がちょっと見えます。
 花は初め白くて次第に淡黄色になります。
 ジャスミンのような匂いもあります。
 
 
 果実は袋果で2つが対になって垂れ下がります。種子には長く白い綿毛があって風によっても運ばれます。
 
 
 今ではこの園芸品種の「ハツユキカズラ」とか「ゴシキカズラ」が人気で植えられているようです。
 
 
 科捜研小屋です。
 
 
 
 
 これ以上弄り回すと「定家さんの怨念がぁぁぁ」
 怖いぃぃぃ。