この花はまだ会える機会も多いので、ちょっと安心です。
でもこの花の暮らしぶりや生き方、「植物に学ぶ生存戦略・・」にもなるかもしれません。
「ギンリョウソウ」です。 漢字では「銀竜草」です。
ギンリュウではなくて、なぜかギンリョウです。
そして別名がいいんです、「ユウレイタケ(幽霊茸)」です。
中国では「スイショウバナ(水晶花)」とも呼ばれているようです。
少し前まではシャクジョウソウ科だったのですが、最近は新しい分類に整理されました。それがツツジ科なので、少しびっくりです。
ギンリョウソウ属の腐生植物です。
生まれ故郷はこれが広くて、日本全国で暮らしています。
日本以外では北は千島や樺太、南は台湾、インドシナ半島、ビルマ、などの東南アジア、そしてヒマラヤ山麓まで・・
山地の湿った所が得意です。多くが暮らしているのは、暗い、ジメジメ、ひっそり、こっそり、不気味・・・そんなちょっとマイナスイメージですが、よく見るとやっぱりスゴイやつです。
地下には短い地下茎があるようで、太く絡まった根のかたまりがあるそうです。普段はこれだけ・・花を咲かせる時期に地上に花茎を伸ばします。
地下の根以外、地上は白です。白衣の天使でしょう。
これは葉緑素を持たない植物です。
葉っぱの退化した鱗片葉がたくさんあります。
とにかく、そのユニークな生き方が面白いです。腐生ってなんかイメージが良くないかも知れませんが、周囲の樹木と外菌根を作って共生する菌類とモノトロポイド菌類を形成し、そこから栄養を得て生活しています。腐生植物で、朽ちた樹木や腐葉土から直接栄養を取っているのではありませんし、とれません。
さらに、葉や茎にも葉緑素がなく光合成も出来ません・・こういう生き方になった事情は・・・分かりません。
この花に来てくれるのは?って心配でしたが、マルハナバチなどがちゃんとやってくるそうで、花の後には果実もバッチリです。
また、モリチャバネゴキブリとも相利共生関係です。ゴリブリと聞いただけで絶叫が聞こえてきそうですが・・このモリチャバネゴキちゃんに果肉を提供して種子の散布をしてもらっています・・。
花は花茎の先に1輪、横を向くか、やや下向きに咲いて、形は円筒形です。花冠が筒状で先が3~5つに分かれ、雄しべは10、雌しべの柱頭は紺色っぽくなります。
茎の先に筒状の花を咲かせます。
花弁にあたるものは3~5、雄しべは10、雌しべは1つ。雄しべの花糸には白い毛が多く生えています。
雌しべの形がユニークです。
でも、花はちゃんとした花なんです。
これがなんで竜になるのでしょうか?
その説明は鱗片葉に包まれた全体の姿を「竜」に見立てたのです。
恐るべし・・。
ギンリョウにちょっと似たのに、「ギンリョウソウモドキ」と「シャクジョウソウ」があります。みんな腐生植物です。
いつもは3~8本くらい・・家族?、グループ?で出ています。
出来る果実の形もユニークな液果です。果実も白です。
いつもご覧いただきありがとうございます。
梅雨明けと猛暑ですが、「梅雨明け十日です」。 山野草たちが早く見においでといっていますので、週末まで留守になります。
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