2年に1回くらいしか会えませんが、流石にヨーロッパ育ちです。この寒い時期に咲いてくれます。
 草丈がそんなに大きくないので、他の草に隠れています。気が付かないことも多いかも。
 斜面の草陰になにか咲いているものが・・チラリと目に入ったような・・通り過ぎてしばらくして、やはり気になって戻りました。そしたら、なんと・・・。
 
 「カンザキアヤメ」です。  漢字では「寒咲菖蒲」「寒咲文目」です。
 別名が「カンアヤメ(寒文目)(寒菖蒲)」、「ウインター・アイリス」です。
 アヤメ科、アヤメ属の多年草です。
 生まれ育った故郷は地中海沿岸地域で特に、ギリシャから西シリアと北アフリカです。

 ところが、いくつかの資料には、「日本産」とか「南アフリカ産」などと書いているのもありますので要注意です。

 
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 葉っぱは剣状で常緑です。アヤメの仲間で葉っぱが枯れないのは珍しいです。
 
 葉っぱの根元から花茎を伸ばします。でもこの寒咲は15cmくらいで短いのです。寒くてダメなのかも。その花茎の先に淡青紫色の花をつけます。
 
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 アヤメですから、外花被片が3枚、内花被片が3枚ですね。外花被片は倒卵形のカタチで少し反り返ります。その基のところに文目状の模様が入ります。中心は黄色です。 内花被片は卵形で立ち上がっています。
 雄しべは3本、雌しべが1つです。
 アヤメ科、アヤメ属の雄しべ、雌しべはある場所もカタチもユニークなので、解剖が必要です。でもこれは庭園なので採取するワケには行きません。

 

 

 よく知っているアヤメとの違いは・・ 

①花の咲く時期が1~3月頃の冬に咲きます。

②草丈が20~30cmくらいしかありません。

③花が葉より下のところで咲くので草が繁茂している場所だと花に気が付かないこともあります。

④普通のアヤメは花が終わり、秋冬には葉っぱが枯れてしまいますが、これは常緑です。

 

 

 葉っぱは同様に線状で幅は1~1.5cmくらい。

 この葉の間から花茎を伸ばしてその先に花を付けます。

 花のつくりはアヤメと同じようで、外側に3枚の外花被片があり、花ぴらの基部の中央に黄色い模様があります。 内側の花びらは3枚、本来の花びらで、内花被片です。

 まだ見たことはありませんが、白花種もあるそうです。

 

 まだそれほど多くは植えられていませんので、見慣れている冬の花という感じではない・・ですね。やはり初夏のアヤメ属の圧倒的なイメージの方が強すぎかも・・。

 

 出来る果実は蒴果です。