近くの緑道の脇にはこの仲間が年々多くなっています。
 中でももう少し春本番になると大きくて黄色い花の「オオキバナカタバミ」が多くなりますが、その少し前はコレです。
 
 
 この花は今も道端で頑張って咲いてます。在来種や自生種とは違い、花も大きくて見ばえがします。
 カタバミ業界も外来種、園芸種が中心になりました。
 
 
 今年の一番目は
 「フヨウカタバミ」です。 漢字で「芙蓉片喰」とか「芙蓉酢漿草」です。
 カタバミ科、カタバミ属の多年草です。
 
 これは故郷が南アフリカです。それにしても遠くからです。明治時代の中頃には連れて来られたそうです。
 
 
 南アフリカですから、カタバミとは言わずに、オキザリスです。日本でも最近は「オキザリス」の方が多くなっているようです。
 これは「オキザリス・バリアビリス」とか「オキザリス・プルプレア」です。英語名では「Triple red lucky clover」です。 
 
 
 このフヨウカタバミと言われるものの鑑賞用として作られた園芸種たちです。
 葉っぱは在来のカタバミや多くなっているオオキバナカタバミなどとはちょっと違います。
 葉っぱは「3小葉」でこの小葉の先が凹ますに丸い葉に近い葉です。
 よく見ると葉のウラ面や縁に細かい毛が散見されます。
 
 
 卵形の鱗茎を地中につくりどんどん殖えます。地上に何故か、茎がないのも不思議な形です。
 
 
 
 
 
 花は径4cmくらいで、普通のカタバミに比べてとても大型です。
 花色も紫、白、ピンク、黄色、薄赤紫、赤など豊富です。そして花びらの基が黄色くなっています。
 
 
 咲く直前が花びらを捩じらせているようで、とても不思議な形をします。
 花びらは5枚、雄しべが10本あります。(雄しべ5本は長くて、5本は短い)
 雌しべは1本で柱頭は5裂します。
 
 
 
 何故か、花壇ではあまり見られず、いつの間にか道端を住まいにしています。
  
 
 去年に観察した時には雄しべと雌しべの関係をよく確認出来ませんでした。
 図鑑などでは「ミソハギ属」、「ホテイアオイ属」、「スイセン属」などと並んでこのカタバミたちも「異形花柱性」で、雄しべと雌しべの長さが異なり、その異なった組み合わせで受粉が出来る・・など仕組みを持っている・・。
 
 
 異形花柱性も大きく2タイプり、1つは「二形花柱性(二異花柱性)というもので、サクラソウ科やナス科が知られているそうです。
 そしてこのカタバミ属は三形花柱性(三異形花柱性)というもので、
①雌しべの花柱が長いく、中くらいの長さの雄しべと、短い雄しべがあるもの
②雌しべの花柱が中くらいの長さで、長い雄しべと、短い雄しべがあるもの。
③雌しべの花柱が短く、長い雄しべと、中くらいの長さの雄しべがある。
 この3つがあるというのです。

 上のは③のタイプでしょう。
 そして下のは②のタイプです。 
 
 
 下のは①のタイプになっています。
 
 下のは雌しべの柱頭です。 
 柱頭は5裂して更に細かく裂けています。
 
 
 
 
 この違うタイプで初めて受粉が出来るそうです。自家不和合性という仕組みの為です。
 そして出来る果実は瘦果です。
 でもこの園芸品種は殆ど結実しないそうです。
 増えるのはもっぱら根茎、卵形の鱗茎によって仲間を増やしています。