里というか市街地はまだまだ暑い暑いですが、ちょっと郊外のある所では、植物の世界ではすっかり役者の交代が進んでいます。
 
 今年は会えないかもね・・と思っていた花のひとつです。 なんとか逢えました。
 「サワギキョウ」です。 漢字では「沢桔梗」です。
 
 
  キキョウ科、ミゾカクシ属の多年草です。
 まず、この植物は綺麗ですが有毒です。
 北海道から九州までの山地、湿地、湿地の草原などが住まいです。
 
イメージ 1
 
 葉っぱは柄がなく互生に付いています。形は披針形で細かい鋸歯状です。
 8月、9月に濃い紫色の花を咲かせます。
 
 
 唇形花で、総状に咲かせます。花は上下に分かれます。上唇は鳥の翼状に2裂しています。下唇は3裂しています。この形はミゾカクシ・・です。
 萼は鐘状で先が5裂しています。
 そして、キキョウ科ですから、雄性先熟です。
 
イメージ 2
 
 雄性期では、5本の雄しべは葯と花糸の一部が融合して筒状になっています。筒状の役の先には白い毛が生えています。この毛が大切です。ここを訪れた虫が触れる毛の根元の蓋が開いて花粉が出て虫につくのです。この虫が花を離れると毛の蓋が元に戻って無駄に花粉を出さないようにしています。
 
 
 その筒の中には雌しべがあり、その先に集粉毛のついた花柱があり、花柱が成長して葯の中の花粉を出そうと圧力をかけているそうです。
 やがて雌性期になると柱頭は2裂して花粉を受けられるように成熟します。
 
イメージ 3
 
   花びらにも細かい毛がたくさんついています。
 この花粉を運ぶ役は主にトラマルハナバチだそうです。
 でも秋にふさわしいいい色の花です。