梅雨の頃に咲き始めて盛夏には花も終わると思っていたら、なんとまだ残っているのがありました。でもイマイチ元気がないように見えます・・。
 
 「フシグロセンノウ」です。  漢字では「節黒仙翁」です。
 
 
 ナデシコ科、マンテマ(少し前までセンノウ属でしたが今はマンテマ属になりました)属の多年草です。 そして、日本固有種です!
 本州~九州が住まいです。
 別名が「ゼニバナ」「オウサカバナ(逢坂花)」。 オウサカバナ(逢坂花)って作家の逢坂剛さんと関係あるの?・・。関係があるのは琵琶湖の南にあった「逢坂関」でした。
 
 茎は真直ぐに直立します。50cmくらい~90cmくらいまで。この茎にある節が黒いので「フシグロ」です。確かに黒いです。
 
 
 葉っぱは無柄で茎に対生して葉先は尖っています。長楕円形~卵形です。
 花は朱赤色ですが、ちょっと薄い感じでした。茎先に1個~数個の花を付けます。
 
 
 花弁は5枚、雄しべは10本で葯は紫色です。雌しべの柱頭の先は5裂します。
 花弁の付根に2つずつ濃い色の鱗片があります。
 
 
 センノウ(仙翁)の意味が長い間わかりませんでした・・調べたら、この花が最初に見つかったのが、京都・嵯峨野にある「仙翁寺」だったそうです。その仙翁をもらいました。
 でも、昔から栽培種は多くあったようです。
 ちなみに、センノウの名が付くのは「エンビセンノウ」「スイセンノウ」「オグラセンノウ」「マツモトセンノウ」「ムギセンノウ」などがあります。
 
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 田中澄江さんの「花百」では雲取山の花とされています。
 雲取には秋から初冬や春先にしか登らなかったのでこの花は会えていません・・。
 
 今年の夏はじっとしていることが多いので、写真を見ていたら、これがありました。
「マツモトセンノウ」です。
 
 
 ナデシコ科、マンテマ属の多年草です。 もちろんの日本固有種です。
 特別の場所にしか暮らしていません。主に九州の阿蘇山の草原などですが、超貴重なので、植物園でしか会えません。
 
 
 なんで「マツモト」なんて地名のような人名のような名前がつくのでしょう。調べると
①「信州の松本」に自生していた・・。
②牧野博士はこの原種が「ツクシマツモト」である、と述べています。
③花の形が「歌舞伎役者」の松本幸四郎の紋所に似ていたから・・。
 なんか・・??・・です。
 それにしてもこの鮮やかな朱赤の花には見惚れます。ただそれだけです。
 雄しべが10、雌しべは1つです。
 
 
 センノウ探しです。
 次も山野草です。 夏の湿った草原などです。
 これも自生は特殊な場所にしかいません。そして絶滅危惧種です。
 なのでこちらで見るには植物園で栽培しているのしかお目にかかれません。
 「オグラセンノウ」です。  漢字では「小倉仙翁」です。
 
 
  遠くだとほとんどナデシコです。
 この名前も謂れがイチイチよく分かりません。
 小倉なので北九州の小倉かと思ったら、資料には、京都の紅葉の名所の「小倉山」にちなんで付けた・・という説があるそうです。
 そして、自生地はもっと謎で、朝鮮半島の北部、岡山県と九州の山地、山地でも湿地で暮らしているそうです。
 岡山県では「サワナデシコ」と呼ばれているとか・・。
 
 
 こういう自生地が隔離した場所というのは、氷河期の生き残りが多いようです。
 
 
 本当は大御所として「エンビセンノウ(燕尾仙翁)」がありますが、いい写真がありません・・。
 
 
 センノウと付くので道端でも見られるのがあります。
 5~6月に咲くのですが、。
 「ムギセンノウ」です。  漢字で「麦仙翁」です。
 
 
 でもこれは「ムギセンノウ属」なので、マンテマ属とは違います。
 ヨーロッパ全土、西アジア、北アフリカ、インド北部~中国、北アメリカ、南米のアルゼンチン、オーストラリア・・・つまり、名前のムギの栽培地と一致するそうです。
 
 
 そしてもっと身近かも・・
 「スイセンノウ」です。  漢字では「酔仙翁」です。
 南ヨーロッパ生まれです。
 
 
 茎や葉に白い毛で覆われています。
 
 
 白花も多くなっています。
 もう道端の植物になりかけています。
 
 
 身近に見られるのがヨーロッパ生まればかり・・でした。