WALKING TOUR


以前 友達のブログで紹介されていた作品

これを見て とても共感した記憶がある

人生とは「歩き続ける旅」だと




こんなことを書くべきかどうか迷ったけれども

今の気持ちを風化させたくないと思って

記録を残しておくことに決めた




7月5日の夜


家族の一人が「歩く」ことをやめてしまった


君は17歳だった

僕が4歳のころからずっと一緒だったことになる

僕が物心ついたときからずっと

まさに居て当たり前の存在だった



僕は幼い頃の記憶はほとんど無いのだけれど

君が家にはじめてきたときのことは鮮明に覚えている



知り合いの家で子犬が三匹産まれた

その家では飼いきれないということで

君はうちに貰われてきた



興味津々に近寄っていった僕にむかって

君は不意に吠えてきて

僕はびっくりして泣いて家の奥に逃げた

そう考えると初印象は最悪だったんだな



他にも 僕は散歩中に君に引きづられて

額を怪我したこともあったっけ

僕が小さいときは君のほうが全然力が強かったんだね



人間の年齢で換算すると 君はもう100歳近かったらしい

他の兄弟はもうとっくに逝ってしまったのに

本当に長生きしたよね

よく頑張ったよね



最期の一年はほとんど寝たきりだった

ご飯や水を自分で食べる力もなく

抱きかかえて

口の中に無理やり押し込んであげなきゃ食べれなかった



あれだけ大好きだった散歩も

家の前で用を足すくらいにしか歩けなくなっていた

玄関でおもらししてしまうこともしょっちゅうだった



そんな君の姿を見るのは辛かった

こんな状態で生き続けるのは

果たして本当に良いことなのか

本当に幸せなことなのか

疑問に思うこともしょっちゅうだった



でも 君は最期の日の午後

いつものように抱きかかえられて

母から水を飲ませてもらっているとき

本当に久しぶりに 一年ぶりくらいに

嬉しそうに尻尾を振った



そしてその日の夜

君は逝ってしまった



幸運にも 僕は家に居て

君の最期のときを母や祖母と一緒に看取ることができた


その瞬間に立ち会うのは本当に辛かった

でも 立ち会うことが出来なかったら

もっともっと後悔していたに違いない




見守っていてくれなんて傲慢なことをいうつもりはない


君は自分の人生を 誰のためでもなく

自分自身のために精一杯生きた


だから僕も 僕自身の人生を精一杯生きるから




君と同じように

僕も歩くことをやめるそのときまで



胸を張って君とまた会えるように頑張るよ



だから その日まで

もうしばらくそこで待っていてね