前回のブログにも少し書いたのですが、先週の土曜日に「リア王」の舞台を東京芸術劇場まで観に行きました。この劇は何度観ても面白い。「人間の愚かしさって、古今東西変わっていないんだなあ」といつも痛感します。

リア王は皆さんご存知のようにシェークスピアの四大悲劇のひとつです。この物語をもう一回簡単に復習しますと、3人の娘に対して、自分に忠誠を誓った者には領地を与えると約束した老リア王。心にもない甘言を弄した長女と次女には領地を与える一方で、素直に本音を語った三女は追放してしまいます。

 

しかし、甘言を信じて頼りにした長女と次女には当然の如くあっさりと裏切られて、部下も剥ぎ取られて流浪の身に。やがて三女と再会して彼女の真心を理解したリア王は、フランス王妃となったこの三女の助けも得て2人の軍勢と戦うものの敗北。三女は処刑されて、自身も狂乱と悲嘆のうちに死ぬ、という悲劇です。

 

以前のサラリーマン時代にはリア王を観ると、「茶坊主を寵愛するアホな上司の構図は昔から変わっていない」「権力者はそもそも自分自身の評価が全く出来ていない」「人間は権力を握るとその地位を維持することにしか興味がなくなる」という権力者の馬鹿さ加減を描いた前半部分にいろいろ思うことが多かったんです。

 

ところが、リタイアして自分も老人になると、「どういう形で権力や経験や知識を次の世代に渡していくのが望ましいのか」「世の中における年寄りの役割、社会からの好ましいフェードアウトの仕方は❓」というシニア論を考えさせてくれる後半部分が非常に気になってくるんです。

 

要は、それなりの地位を得て引退した人は、お金も時間もそれなりにあるんですから、利己的な行動から脱して徐々に利他的な生き方にシフトしていかなければいけません。ただリア王が望ましいシニアになったら、お話は面白くなくなってしまうので、老いても相変わらず自分の利益しか考えずに行動し、このような悲惨な最後を迎えることになる訳ですが。

 

ロシアによるウクライナ侵攻で、征服欲とか支配欲というものは権力者にとっては永久に変わらないもので、法の支配なんてお飾りに過ぎないことが明白になりましたが、物欲金銭欲性欲のような人間の根源的な欲望はさらに根深く存在しています。特に権力者だった老人には名誉欲も。

 

森喜朗元総理やENEOS前会長を見ると、CSRとかEDGsなんて美辞麗句を並べるのは一切やめて、まず理性とか良識という基本的な「欲望の抑制機能」を権力者にはきちんと根付かせることを最優先にすべきというのが、残念ながら今の日本社会の権力者のレベルです。


段田リア王は、この人間の愚かしさ/愚かな権力者の末路を分かりやすく好演しており印象的でした。あと江口のりこさん田畑智子さんの悪女怪演ぶりもよかったし、玉置玲央さんの声の張りはすごかったです。イマイチ残念なのは準主役である三女の上白石萌歌さんの声が小さめだったこと。

 

そして、今週木曜日夜は、「よしもと IMM THEATER 寄席」@水道橋に行ってきました。このIMM THEATERは、今年出来たばかりの東京ドームと吉本興業が共同で運営するシアターです。IMMは明石家さんまさんの座右の銘である「生きてるだけで丸もうけ」(IkiterudakedeMaruMouke)に由来するとか。700席の階段状のシアターで、椅子も快適でした。

 

緞帳が上がるまでの前座の舞台は、撮影OK(というより撮影推奨⁉︎)でした。

10組の約90分間の熱演でした。面白かったし、客席とのやり取りも加えたアドリブ満載のスピード感は落語とは対照的でした。個人的には落語の方が落ち着くけど、タイパの時代で若い人たちにはこのスピード感がいいんでしょう。

 

落語家も凄いけど、吉本芸人も即興で場の雰囲気を理解して言葉で繋ぐ能力は素晴らしい。やっぱり地頭がよくないとこの世界では生き残れないです。

 

パンフレットを見ると、Mー1グランプリの優勝者などの実力派が多かったようですが、ワタクシ自身、テレビはあまり見ないので、ほとんど知らない人ばかりでした💦観客は若い女性が圧倒的に多くて、この辺も落語寄席とはちょっと違う雰囲気ですね。

 

やはり舞台にしろ寄席にしろ、演者と観客でリアルな空間を共有できる経験は、映画やテレビの一方通行の世界とは違って、印象の残り方を濃厚にします。

 

そして、昨日の土曜日は朝品川で「四月になれば彼女は」を観た後、上野で大家仲間とのお花見懇親会。前日までのアルバイト先のすぐ近くだったので、今年は桜がほとんど咲いていないことは分かっていましたが、「花より不動産ネタでのお酒で」ということで大いに盛り上がりました。やっぱり飲み会もオンラインと違ってリアルは楽しい☺️

 

ちなみに、昨日の上野公園の桜🌸って、ほとんどこんな感じでした(・_・;

 

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さて、ワタクシ、株式投資では、毎週末の日経平均株価と保有資産残高(「MRF+現物株式残高±信用建玉評価損益」)について、いつも翌日土曜日に夫々前週末と前年末対比の増減率をチェックしています。

 

3月29日 日経平均株価:前週末比▲1.3%・前年末比+20.6%

                グロース250:前週末比▲1.2%・前年末比+ 5.7%…旧マザーズ指数です。

              保有資産残高:前週末比+1.4%・前年末比+27.5%


今週末の日経平均株価は前週比▲518円安の40,369円と下落はしましたが、配当落ちや年金リバランス売りなどの期末の特殊調整要素を勘案すると、まあ無難な推移だったのではないでしょうか。個人的には6254野村マイクロ•サイエンスや8061西華産業が大きく上昇したことで、日経平均を上回るパフォーマンスとなりました。

 

この1-3月は税務署で平日フルタイムのアルバイトをやっていたので、株式投資は朝9時前に指値をして午前中に約定した取引を昼休みに決済していただけですが、上昇相場の波にうまく乗れた結果、利益も残高も結構な勢いで増えています。これまで今年の不動産投資の月次チェックもずっとサボっていたので、4月からはしばし集計作業です。