いよいよ年末も押し詰まってきて大家業の経費集計でドタバタしているのですが、合間を見つけて今年のカンヌ国際映画祭での話題作「PERFECT DAYS」を観てきました。

小津安二郎を敬愛するヴェンダース監督が東京を舞台にして、トイレ清掃員の日常ルーティン生活を描いた作品です。主演の役所広司さんはカンヌで男優賞を獲得しましたが、確かに彼の演技力がほとんど全てという映画でした。海外からは非常に高評価だったこの作品、役所広司さんの演技や表情だけでも観る価値は間違いなくあります。

 

もともとは、2018年に著名な建築家が設計した渋谷区の公共トイレプロジェクト「THE TOKYO TOILET」のPRとしての短編映画の企画からスタートしたものの、企画の過程で長編劇映画として再構想されたという経緯にあるとのこと。

 

まず主役であるトイレ清掃員の生き方をどのように感じるか。背景はほとんど語らませんでしたが、姪を迎えにきた富裕層らしき妹(麻生祐未さん)との短い会話からは、良家の出身ながらいろいろあって他人と関わらないこの職業を選んだような雰囲気。

 

この作品、海外では主人公の生き様を日本的な清々しさとして好意的に捉えられているようですが、そんなに単純なものではありません。今の日本でも大多数の人の価値観は妹さんの生き方に憧れているのが現実ではないでしょうか。

 

最近派遣社員を経験していることもあって、主人公の生き方は、現在50歳くらいの所謂「氷河期世代」の方々に通じるものがあると痛感しました。真面目で仕事はきちんとしているんだけど、自分の世界中心で他人との関わりは最小限にする(経済的にもそうせざるを得ない)というイメージ。格差と分断を改めて感じた次第です。

 

主人公の住まいも、かつて私娼窟「玉の井」があった東向島付近のようで、たびたび撮されるスカイツリーとの対比からも社会の格差と分断を感じます。この近辺では、言問団子や長命寺の桜餅が名物ですが、そういうものが全く出てこないのは、主人公のライフスタイルからすれば当然ですよね。

 

シーンにたびたび登場する隅田川ですが、ヴェンダース監督が尊敬していた小津安二郎の映画の世界はもっと下流の深川付近が中心でした。外国人にとっては隅田川沿いというだけで、小津の世界になるのは仕方がないところですが 笑笑

 

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さて、ワタクシ、株式投資では、毎週末の日経平均株価と保有資産残高(「MRF+現物株式残高±信用建玉評価損益」)について、いつも翌日土曜日に夫々前週末と前年末対比の増減率をチェックしています。

 

12月29日 日経平均株価:前週末比+0.9%・前年末比+28.2%

                   グロース250:前週末比+4.2%・前年末比▲ 3.3% …旧マザーズ指数です。

                 保有資産残高:前週末比+1.6%・前年末比+23.8%


今週末の日経平均株価は、前週末比+295円高の33,464円で大納会を終えました。今年は大型株なら大体何を持っていても株価上昇の恩恵に与れた1年でしたが、新興株には厳しい年でした。

 

今朝、早起きして、Excelに主要業界のトップピックの株価推移を入力して表を作ってみたら、予想通り半導体株の圧勝ですね。分かってはいたものの、数字を見るとやはり凄まじいです。東京エレクトロンのような大型株が2倍になっているんですから。昨年末比の株価上昇率はこんな感じです。

個人的には、日経平均には及ばないものの、2割以上も資産が増えたので大満足ですが、秋に商社株を買い増したのがマイナスに効いています。やっぱり欲を出して爪を伸ばすと痛い目に遭うということですね。

 

最近、近所のお寺にあった教えがなかなか面白いので、参考までに供します。人生でも投資でも「分を知る」ことが大事なんですが、悲しいかな、欲に勝てないのが人間の性でしょうか 笑笑