今週は不動産事業の法人部分の経費まとめも大体終わったので、平日昼間に映画を沢山観ていたんです。9月下旬からはフルタイムのアルバイトが始まるので、平日はあと2週間くらいしか自由になる日がないので。。。

 

お金を払ってロードショーで観るのは「TAR/ター」以来で久しぶり。まず「ふたりのマエストロ」を有楽町で、次に「アウシュヴィッツの生還者」と「シモーヌ」を2日連続で新宿武蔵野館で。

まず「ふたりのマエストロ」ですが、ストーリーの発起点のミラノスカラ座の対応って、サラリーマン的思考回路だとリアリティが無さすぎでした。間違えられた父が何度も総裁に電話して留守電にもメッセージを残しているのを無視して、息子に対して「秘書が間違えて伝えてしまったとお父さんに言ってくれ」なんて、現実世界ではちょっとあり得ないんじゃない❓総裁自らが父親のところに謝罪に来るのが普通でしょう。

あとは、2か月前に見たばかりということもあるんですが、「TAR/ター」を意識しているような局面がところどころに感じられましたね。最後の父親の登場シーンはケイト・ブランシェットの乱入シーンを想起するし、力量イマイチの恋人バイオリニストを無理矢理コンマスにしようとしたところなどもwww

個人的には「Tar/ター」は後半のアジア編のストーリーの意味が未だによく理解できていないんですが、「ふたりのマエストロ」は論点が分かりやすいのがよかったかな。親子で指揮者、父が子に嫉妬したり、子も何かと父親を意識するという設定はそれなりに面白く、歌舞伎のような世界でもよくありそうなパターンです。

 

こと文化に関しては自国が最高だと思って止まないフランス人も、オペラに関してだけはイタリアにややコンプレックスを感じているのかなという雰囲気が十分に出ていましたよwww

 

「アウシュヴィッツの生還者」と「シモーヌ」は、所謂“ホロコースト映画”ですが、両方とも初めて知ることばかりで勉強になりました。両方とも重い作品でしたけど、面白かったです。

 

まず「アウシュヴィッツの生還者」ですが、アウシュヴィッツからの生還者ハリー・ハフトが生き別れた恋人のレアを探すために、自らの存在を新聞に載せることが出来れば生きていることがレアに伝わるはずだと信じてボクサーになる話です。

このハリーは、収容所ではナチス親衛隊中尉シュナイダーの命令で賭けボクシングの選手にさせられて、同胞のユダヤ人と戦わされ勝利を続けていたものの、負けたユダヤ人は親衛隊に銃殺されるという非道な環境のもとで勝ち続けて生き延びてきたという苛酷な歴史があったのです。

 

レアに生存を知らせたい一心で、この衝撃的な事実を記者に話して新聞に掲載されると、ハリーは裏切り者としてユダヤ人社会の一部からは敵視されるようになるものの、この記事の影響もあって、当時の王者ロッキー・マルシアノとの試合を組むことが出来たのです。(無敗のまま引退したあの伝説のロッキー・マルシアノ❗️と戦ったのは実話でした。Wikipediaを見たら、対戦相手のリストにも載っています)

 

勿論マルシアノには負けたのですが、その後もレアの消息は掴めないまま引退します。別の女性と結婚して子供にも恵まれたものの、収容所の辛い記憶から逃れられずに辛い日々過ごしていた時に、かつて賭けボクシングのことを話した記者がレアの住所を教えてくれて、息子を連れて衝撃の再会を果たすのがラストです。。。

 

次に「シモーヌ」は、「フランスに最も愛された政治家」というサブタイトルで分かるように、フランスの女性政治家シモーヌ・ヴェイユの生きざまを描いた映画です。

1974年に反対派から激しく非難されながらも人工中絶合法化を成し遂げ(彼女の名前を付してヴェイユ法と呼ばれている)、その後もEU統合の推進に大きく貢献し、欧州議会で史上初の女性議長となった政治家ですが、苛酷なホロコースト体験者でもありました。

 

とにかく信念と実行力のある政治家で、きっと敵も多かったんだろうなあと推察。人工中絶の合法化を始めフランスにおける女性の権利を守り刑務所の処遇改善などの人道的な側面でも一切手を抜かない。その原点には、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所とベルゲン・ベルゼン強制収容所を生き抜いてきた壮絶な経験があるのは確かで、主演のエルザ・ジルベスタインの迫力ある演技も素晴らしかったです。あー、日本にもこんな政治家がいてほしい。。。

 

「アウシュヴィッツの生還者」でもハリーは兄から「収容所での話は絶対にするな」と釘を刺されていたのですが、この作品でもシモーヌは姉から「過去の話はできない」「生還者はフランスでは汚点扱い」と言われています。1950年代のフランス社会では、強制収容所からの生還者やユダヤ人への偏見、フランス政府としての黒歴史に触りたくないという雰囲気がまだまだ横溢していたんでしょう。

 

アウシュヴィッツに関する映画は毎年数多く作られ続けて世界中で上映されています。語るべき話は、後世にもきちんと伝えないといけない、惨事を2度と繰り返さないためには風化させてはならない、ということです。

 

この2作品は、生き残ったことによる主人公の苦悩や癒えることのない傷の深さだけでなく、新たな立場で生きていこうとする人間の逞しさもきちんと描いているのには好感が持てるし、また感銘を受けます。

 

アウシュヴィッツの惨劇は決して過去の話ではなく、現在でもウクライナでは同じようなことが起きているんでしょうし、最近の専制化が進む中国を見ると我々も他人事ではありません。とにかく理不尽なことに対しては、一人一人がきちんと声を上げていかないと日本や世界の地獄化は止められない、ということに尽きると改めて思った次第です。

 

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さて、ワタクシ、株式投資では、毎週末の日経平均株価と保有資産残高(「MRF+現物株式残高±信用建玉評価損益」)について、いつも翌日土曜日に夫々前週末と前年末対比の増減率をチェックしています。

 

9月1日 日経平均株価:前週末比+3.4%・前年末比+25.4%

               マザーズ指数:前週末比+1.8%・前年末比+3.9%

             保有資産残高:前週末比+3.3%・前年末比+27.3%


今週末の日経平均株価は32,710円と先週に引き続き4ケタの上昇で続伸です。おまけに、TOPIXは週末にバブル崩壊後の高値更新。米国での公表経済指標も特に問題はなく、長期金利も低下基調で、円ドルレートも146円台近辺で、日米共に株価は順調です。

 

米国は景気も軟着陸しそうで楽観論が増えてきたものの、問題は中国です。景気対策が発表されたことや中国PMIが予想を上回ったことは好材料ですが、若年層の失業率の高さに加えて、恐ろしい勢いで海外からの投資が減少してきていることを考えると、今後の経済成長は絶望的に厳しそうです。嵐🌀の前の静けさかも。

 

もう一つ冴えないのが新興株です。火曜日にマザーズ指数が大きく上がって25日線を越えたので、いよいよ材料株相場になるかと思ったら、相変わらずのグタグタで、依然として225相場が続いています。ココは読みが外れてしまいました💦

 

保有資産でも新興株はそれなりにやられており、インバウンド関連もボチボチですが、一言で言うと商社株の好調でカバーされています。最近の盛り場混雑やタクシーの捕まらなさを見ていると、中国人観光客が国慶節に来なくなっても、日本の小売業・サービス業へは大した影響はないのでは❓と思いますねーーー今回の処理水への中国政府の政治的な対応は、日本社会の脱中国依存を急速に後押しする転換点になると期待しています。