2017年に独学宅浪で慶應義塾大学法学部政治学科に合格した勉強法を解説します。

 

この記事は合格直後に執筆開始したのですが、途中で挫折したまま5年余りが経過してしまいました。

 

今も未完なのですが、1つでも誰かの合格のヒントになればと思い、公開します。

 

ただし、現在の出題傾向は2017年までのものと変化している可能性もあるので、受験生はその点確認をお忘れなく。

 

以下、執筆時の原文(気取った文体ですね笑)のまま掲載します。

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ここで記録する理論は、私が「高校入学→浪人→慶應義塾大学法学部政治学科合格」までの間に、ハウツー本や塾や受験記録系ブログなど様々なソースから自分が慶應法に受かるために本気で収集し厳選したものです。
自称非常に繊細で高度なものなので、量も比較的膨大で、抽象的な概念も割と多く含まれていますが、可能な限りわかりやすく言語化してお届けします。

私は中学生の頃から英語がだいぶ得意で、文法に関しては結構詳しかったのですが、浪人1年間で単語も文法も初めからやり直したし、世界史に関しては高3になっても逃げ回って殆ど勉強していなかったため浪人で0からのスタートでした。すなわち、ここで惜しみなく紹介する理論たちをうまく活用して勉強すれば、浪人1年間分の勉強で十分に慶應法学部に合格できるということはほぼ証明済みなのです。
現役高校生の諸君も、今まであまり勉強の貯金がない諸君も、覚悟を決めて圧倒的受験生になってください。


私は高3の1年間は「増田塾」に通い、浪人の1年間は渋谷の「study launge」という有料自習室を借りて独学をしました。

増田塾は「強制自習」でも知られるスパルタ塾で、1年間ここに通ったことで勉強の仕方や自習への耐性が身についたと思っています。
浪人、ましてや独学浪人なんて成功しないという意見が世間の大半だと感じていますが、「適切な勉強方法」と「十分な学習時間」を確保すれば、きちんと結果が出ることを僕自身の経験から証明できたと思っています。
この理論はもちろん、現役の受験生や塾に通っている受験生も、活用できるものでしょう。

(浪人時は「慶應クラス」という通信制の塾も契約していましたが、これはハッキリ言って価値のないイ◯チキ商売でしたね。月額3万円で大量の本やテキストが届きましたが、どれも抽象的で、要するに何が言いたいかわからない代物でした。まあ哲学的な意味で言えば、「この自信満々な宣伝文句でこの程度の内容物か」と分かってむしろ自信がついた点においては大きな価値があったのかもしれませんが。)


それでは使用した参考書と勉強の仕方について話していきます。
長いので気楽に何度も読んでくれたらいいと思います。


僕は大量のハウツー本を読みました(写っていないものも含めて20冊くらいかな)。
小説よりもこういう類の本が好きで、高1の頃から何冊も読みました。
ただ長いこと勉強法のハウツーを知るだけで実践をしない、典型的な失敗タイプでしたね笑。
でも一方で、スタートの前に一呼吸置いて、武器を揃えたり全体を俯瞰するという手順は、あらゆる物事において大切なステップだと思います。
ハウツー本を読み漁ったのも、浪人で独学が上手くいった大きな要因だと思っています。
つまり、有効な理論と十分な実践は両者が揃ってこそ効果が現れるのです。片方だけでは意識高い系自己満足や盲目見切り発車型イノシシになってしまいます。

特に役に立ったのは、画像の下2冊です。
・勉強における自習の大切さ

・暗記における反復作業の大切さ

を主張しています。
実は他のどのハウツー本も同じことを言っているので、間違いない理論なのでしょう。
僕の勉強法でも、これを大切にしています。


各科目に入る前に、どの科目でも共通する認識を紹介したいと思います。

まず「学習をいくつかの段階に分ける」という意識です。
基本的に「基礎を固める段階」「演習で問題を処理するトレーニングの段階」「過去問などで実践に対応する段階」があります。
日々の勉強をこの段階を踏んで行ったり、あるいは入試までの残り時間を3つに分けて全体でこれを進めていくのです。特に後者であれば、今の時期は何をしていれば良いか目安になるので精神安定剤になります。


次です。僕の理論で最も特徴的で重要な戦術は、「徹底的に過去問を分析する」ということです。
志望学部の受験生の中で自分が一番過去問を知り尽くしているのが理想型です。

そのために

①いますぐ過去問を見る

②大量の過去問を解く

ことが大切です。

「①いますぐ過去問を見る」です。
これは少し奇抜に思えるかもしれません。
過去問を最初に見てしまいましょう。
あなたがこれを読むのが高3の4月でも、もっと遅くてももっと早くても、出来るだけ早く過去問に目を通してください。
1問1問どんな形式でどんなレベルのことが問われているか、それを処理するにはどんな知識や能力が求められるのか分析しましょう。
赤本1冊分くらい目を通して、できれば最新の1年分は実際に演習してみると良いです。
こうすることで、これからどんなベクトルで勉強し、どんな力をつければ解けるようになるかイメージを持てます。
ほとんどの受験生はこれをせず、入試直前で初めて過去問とご対面するので、それまでに本当はさほど必要でない勉強に時間を割いてしまったり、ゴールがイメージ出来ず勉強のやる気が出なかったりするのです。

慶應法学部に関して言えば、英語は圧倒的な語彙力と文法知識、世界史(日本史)は用語集レベルの知識量が求められることが分かります。
逆に英作文能力や歴史の漢字の書き取り能力、論述力などはあまり必要がないことも分かります。

「先に目を通したら初見で過去問演習できないじゃないか」と思うでしょうが、それは大した問題ではないのです。
何より前述のメリットは絶大です。
そして他学部他大学の過去問や問題集から、似たような形式の問題を探してくることで初見問題の練習も補えます。
また第1志望の過去問は20年くらい解きたいので、いずれにせよ本番は見慣れたような問題が出るでしょう。


そして「②大量の過去問を解く」です。
前述しましたが、第1志望の過去問は20年くらい解きたいです。
我が母校の都立戸山高校に通う可愛い諸君は、馬場の「さとし書房」へ行きましょう。大量の古過去問が売っているので、志望学部の10年前20年前の過去問が手に入ります。
店主のおじさんはコワモテですがいい人です。

基本的に、過去問に出た知識は受験生はみんな覚えてくるので、自分だけ過去問演習が少ないと不利です。意外と過去に出た問題が再度出題されることもあります。
これは模試に関しても同じです。
しっかり復習をして、一度出たものは覚えるようにしましょう。



 

それでは各科目に入ります。
まずは英語です。

使った主な参考書はこちら。

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単語帳は
・システム英単語
・東大英単語熟語 鉄壁
・パス単準1級
・パス単1級

熟語系は
・解体英熟語
・解体英語構文
・基本動詞+前置詞 イディオム1000

文法書は
・ロイヤル英文法

文法問題集
・桐原1000
・英文法ファイナル問題集
・河合塾 スーパー正誤問題

読解
・ポレポレ英文読解
・速読英単語必修編の長文部分

その他
・河合塾 会話問題のストラテジー
・受験英語禁止令
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です。




英語には「語彙」と「文法」という2大要素があって、それらをキチッと固めることで、文法問題も読解問題も作文問題も解けるようになると考えています。

入試までの残り日数を3つに分けたうちはじめの3分の1の期間は、語彙と文法を覚えることだけに集中してよいです。
むしろ、あせって読解演習などをしても単語を調べる時間が余計にかかってしまい、かえって非効率なことが多いです。
したがって基本的な単語や文法は覚えた上で次の段階に進むのがオススメです。


単語は、基本的に大学受験ならどの大学学部志望でも、「鉄壁」まで完璧に仕上げれば十分だと思います。
慶應法を第1志望にして、かつ受験勉強に余裕のある場合は、パス単準1級やパス単1級まで取り組んでみても効果があります。
体感としては、準1級まで仕上げると長文がほとんど知っている単語になり、1級まで仕上げると、大問3の語彙問題がほぼ即答できるようになります。語義問題は長文を普通に読んで文脈から推測するのがセオリーですしほとんどの受験生がそのように解きますが、即答できれば10分くらいの余裕が生まれ、その分他の大問を丁寧に解けるから利益は大きいです。
ただし、出題される数単語のために多くの時間と労力がかかるし、最近はパス単1級にも載っていない単語が出ることもあるので、繰り返しになりますが、余裕のある受験生限定の作戦だと思ってください。



【単語】

単語暗記の方法についてですが、暗記は「印象の強さ」×「出会う回数」の掛け算で決まると考えています。
例えば

・ゴロを考えてその単語の印象を強める

・単語帳を何周も回して出会う回数を増やす

といった方法で暗記の効率を高めることが出来ます。


受験生の諸君には、どちらかと言うと「出会う回数」の方を増やす意識を持つことをオススメします。
例えば単語を書いて覚えるのは、「印象」は強まりますが、時間と体力を使うし、机に向かってしかできないため場面も限定的です。単語帳を1周回すのにかかる時間が非常に長くなるため、途中で挫折したり、もう一度その単語を見るまでにすっかり忘れてしまったりする可能性があります。
一方で、目で見て覚えるスタイルは所要時間が圧倒的に短く、どこでも気軽にできます。この方法はスペルを正確に覚えるのには向きませんが、慶應法学部の場合は英語の記述問題が無いため、正確なスペルを書けることは優先順位が低く、デメリットは小さいです。
ラフにどこでも取り組めるというのはとても大切なポイントです。気合いを入れて取り組もうとすると「エネルギー」も「まとまった時間」も必要になり、ついつい億劫になってしまいます。スキマ時間などにもラフに気楽に少しずつ進めていくことで、単語暗記のという単純作業に対する抵抗感を減らしていくのです。またそうした方が自然と総勉強量も増えます。問題演習などヘビーめな勉強の休憩として、単語帳を読めるようになったら一流ですね。


ただし、黙読だけでは刺激が弱いので、付属のCDを聞きながら、あるいは音読をしながら進めていくのをオススメします。
音と一緒に覚えるのは、他にもメリットがあります。
まず、発音アクセント対策のために受験直前に発音を一気に覚え直す手間を省けます。
そして、正しい発音を知ることは、正しくリスニングすることにも繋がります。知っている単語なのに、誤った発音で覚えてしまっているがために聞き取れないというのは、リスニングあるあるです。
さらに単語の発音が分かっている方が、単語を頭の中で「反すう」しやすく、単語に対しての親近感も湧くので、より早く覚えられるという研究結果が出ています(俺調べ)。


ちなみに、単語帳の覚えていないものにマーキングをする人を見かけますが、逆の方がいいです。すなわち、覚えた単語にチェックを入れていくのです。少しずつ増えるチェックを見て小さな達成感も味わえるし、単語帳を使い切る最後まで「覚えたもの」と「覚えていないもの」を区別できるからです。

まとめると、単語暗記は出来るだけラフな気持ちで、何周も何周も回すつもりで、音とセットで読んで進めるのがオススメです。
2周目以降覚えたと思ったものはチェックをつけて行って、周を重ねるごとにチェックの少ない物だけ取り組むようにすると効率的です。
何周かした上で覚えづらいなぁというものに関しては、ゴロを考えたり絵を隣に書いたりするとよいです。


あーあともう1つとても大切な意識があります。
いわゆる「英語を英語で理解する」というやつです。
すなわち、英単語を見たら一度日本語に訳してから対象の絵を思い浮かべて理解するのではなく、英単語を見たら絵を思い浮かべて理解できるようになるということです。

そもそもですが、「言葉の意味を理解する」っていうのは、「その言葉が指し示す対象物や動作などを、絵や映像などでイメージする」ってことですよね。
日本語の言葉ならそれができるのですが、日本人は単語帳などで日本語訳を暗記するばかりに、英単語を見たらまず日本語訳を思い出して、その日本語訳から対象をイメージするという手順を踏んでしまうわけです。

例えば、

「『Apple』という単語を見る」
→「頭の中で『りんご』という日本語訳を思い出す」
→「🍎の画像をイメージして理解する」


でもそれでは少し時間がかかるわけですね。だから可能な限りにおいて、日本語訳を覚えるというよりも対象のイメージの方を覚えて、英単語からダイレクトにイメージを思い出せるようにしたいのです。

「『Apple』という単語を見る」
→「🍎の画像をイメージして理解する」

ということです。
この方がスムーズに文章を読めます。
単語を覚える段階から、できれば日本語訳を覚えるというよりも絵や映像を覚えるイメージで取り組むとよいと思います。



雑談的になりますが、成り立ちも普及地域も違う2つの言語では、一方では1つの単語で表せる概念がもう一方では複数の単語に分かれていたり、少しズレた概念をあらわす単語があったりします。
日本語と英語においても同様で、日本語では複数に分かれる概念が1つにまとまった英単語や、日本語ごは少しズレた概念の英単語が存在するのは当然のことなのです。そのため複数の日本語訳を持つ英単語は覚えるのが大変だったりしますが、それは言語に執着するからであって、概念(すなわち対象の絵や映像)を理解すればスムーズになることが多いです。



こういった観点からも、日本語訳で意味を暗記するよりも、英単語が指す対象のイメージの方を覚える方が適切な場合があるのです。

場合によっては、複数の意味を持つ英単語でも1つのイメージで覚えられたりするのです。

*絵がイメージできなくても、共通する1つの日本語訳で覚えられちゃう場合もあります。Googleで単語を検索して画像を見てイメージを掴み易いかもしれません。

まああくまでこれは理想型なので、難しい単語や絵や映像をイメージしづらい単語もあります。まずは簡単な単語はこういう意識で覚えるようにするといいかもしれません。

また、どちらの覚え方をする単語にせよ、瞬間的に意味が分かるレベルまで徹底して暗記することが必須です。文章を速く読めるようになるにはこれが最も大切です。速読の上では、思い出すのに時間のかかる単語は覚えていないも同然です。




【熟語】

熟語帳も一冊は仕上げたいです。
基本的には解体英熟語やシステム英熟語あたりでよいと思います。
ただ、慶應法に関してはこのレベルでは太刀打ちできない問題もよく出題されるので、さらに貪欲に熟語を覚える姿勢が必要です。
大問2の会話問題が熟語の前置詞埋めになることが多いため、熟語の知識はあればあるだけ有利です。
僕は更に「イディオム1000」まで取り組みました。
ただ正直なところ、どれだけ覚えても一定数は知らないものも出題されるなというのが実感です。したがって、熟語帳は1冊にとどめ、未知の熟語が出題された時のために前置詞のニュアンスを把握しておくというスタンスがよいかもしれません。


【文法】

文法も、文法書を1冊読破して暗記するのがよいです。

1冊数百ページでも、それなりに英語を勉強してきた受験生は既に大体の内容は知っていると思うので、コツコツ読み進めていけば1ヶ月から数ヶ月程度で1周できると思います。
知らなかった部分やあやふやな部分にマーキングをして、2週目以降はそこだけ読んでいくのもアリですね。
慶應法は大問1でえげつない文法問題が出ることがあるため、僕はあの「ロイヤル英文法」を通読しました。

それでもわからない問題が出るので、正直そこまでのレベルは必要ないかもしれませんが、少なくとも過去問に出た文法事項は単発で暗記しておくと良いでしょう。


【速読】

早慶レベルになると、英文を速く読む力はとても大切です。
僕は分速200語を目指していましたが、最終的には簡単な文章なら分速150語くらいになったと記憶しています。
僕は速読英単語の長文部分に単語数が書いてあるので、タイム計測をして速さを算出していました。

いかに速読力をつけるかということですが、注目すべきは

・単語の認識速度を上げる

・英語特有の語順に慣れる

・英視力を上げる

ことだと思います。

1つずつ見ていきます。

単語の認識速度を上げる
これは単語を読んでからいかに速く意味を理解できるかということです。当然ながら単語を見てから意味を思い出すまでに時間がかかればかかるほど、文章を読むのも遅くなってしまいます。単語帳などを徹底的に取り組み、一瞬で意味がわかるレベルまで暗記するよう努めましょう。

英語特有の語順に慣れる
例えば「This is a pen.」という文は一瞬で意味がわかると思います。教科書などで何度も見かけた文だから、もはや気合いなど必要なく簡単に理解できるはずです。
一方「The pen which the boy is using is mine.」という文は少しスムーズさが落ちるはずです。さほど難しい単語や文法を使ってなくても、関係詞等の日本語とは順序が異なる英文は理解に時間がかかりやすいです。
「Here comes the bus.」などの倒置文などもそうです。
特に一文一文日本語に訳して理解するタイプの読み方をしていると、日本語訳しながら英文を前後に読み直すために膨大な時間がかかります。
名詞を後ろから修飾されたりしても動揺せず、左から右へ一方通行で読めるように「語順」に慣れていきましょう。

これがいわゆる「英語を英語の語順で理解する」ってやつです。
これと合わせて、先に述べたように単語レベルでも日本語を介さず理解できるようになると、本当の意味で「英語を英語で理解する」ってやつになれるわけです。
英語人と同じ読み方だから、理論上ネイティブレベルで速読できるようになります。

まずは音読で強制的に一方通行で読んだり、短いフレーズごとにスラッシュを引いて少しずつ前から理解していく練習から始めるといいと思います。


英視力を上げる
我々は日頃から漢字ひらがなカタカナをよく目にしていますが、アルファベットは意識しない限りこれらほど読む機会がありません。
そのためどうしてもアルファベットの文字の形や文字同士の間隔などに見慣れておらず、なんだかスムーズに目が文字を認識できない感覚があると僕は思います。(フォント的にも、たいてい日本語は全角なのに英語は半角だから物理的に小さくて読みづらさがある。)微妙な感覚の世界ですがおそらく皆さんも共感してくれると思います。
したがって、継続的に多くの英文を読むことで、目と脳ミソがアルファベットに慣れ、スムーズに文字を認識できる状態を保つことができると思うわけです。これをカッコつけて「英視力」と名付けてみました。

これらのことを意識しながら、単語を覚えたり、英文を読んだりしてください。

そういった意味で、長文は問題は解かずに文章を読むだけでも良い勉強になります。
特に慶應法の長文問題は、問題自体はさほど難しくなく、文章さえ正確に読めれば正解できることがおおいので、この様な勉強方法でよいです。
 

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以上、途中までですが公開します。