世界の柔道大会を観ると
いちばん印象に残ることは何か?

それは、
畳を降りれば
みな、
好敵手ということだ。

好敵手とは、
お互いを高め合う存在のこと。
好という字が使われていることから、
その意味の深さを感じる。

嘉納治五郎師範は、
柔道を創始するとき、
自分だけでなく、
他のものも互いに栄えなけれは
いけない。
柔道の目指すところは、そこだと教えました。

あれほど
試合では白熱しても
畳を降りたら
互いに柔道の道を志す同士なんだという
空気がそこにある。

試合後に
インタビュールームを通過して行く
各国のどの選手も、
何かを語り合ったり、
肩を叩き合ったりしながら
控え室に向かう姿がある。

この表彰式の写真は、
みな、柔道を愛する仲間じゃないか
という笑顔のノーサイドが、
よくわかる一枚だと思う。

勝ち負けしか表に出ない
その裏側には、
世界最高の舞台でぶつかり合う者にしか
わからない絆が
あると言うことを
知って欲しい。

勝たなきゃ意味ない?

違う。
勝利は
常に求めるだけの価値があるもの。


しかし、たとえ
勝てなくても
敗戦の中に何か意味が存在しているのが
武道なのだと思います。