カスタマー・イン | CEOコラム

カスタマー・イン

CRMは商品サービスの品質向上と同時に進めるべき、経営者の重要課題である。そもそもCRMは「顧客第一主義」の具現化のことなのである。ここでそこにいたるプロセスを考えたい。考える前に今回は基本用語を整理した。

「プロダクト・アウト」とは、企業が自社の販売・生産計画に基づいて、市場へ製品やサービスを投入すること。要は自社の強みを磨きそれを世に問う作業である。そこには経営者・社員の想いが存在し、思いの強さで商品力が決まる。ただし想いだけでビジネスが成り立つほど現実は甘くないから次の発想が生まれた。

それが「マーケット・イン」である。それは消費者のニーズを十分にくみ上げて、商品というカタチにして市場に出すという「はじめに顧客ありき」の考え方である。頻繁に移り変わる市場の要請に即応していくことであり、そのために企業組織をフラットにし経営を革新していくことまで含まれる。
この過程を経てプロダクトアウトから生まれた商品サービスは、利益という果実を手にする。マーケットインは自社がマーケティング的な発想ができる体質・キャパシティーなのか?を問う。ただそれだけではCRMは実現されないから次の発想が生まれる。



「カスタマー・イン」である。それはマーケット・インの思想をさらに押し進め、顧客1人ひとりが望む商品やサービス内容に応じて、これに沿ったものを提供していくという考え方。既製服、プレタポルテ、オーダーメードは消費者側の選択であったが、こうした考え方をあらかじめ企業の側から市場に向けて仕掛けていく時代となっている。この考え方が生まれた背景には、消費不況が長く続いている状況であるにもかかわらず、生産/流通業者の側が消費者のニーズに気づかず、過剰在庫や販売機会の喪失を生じてしまっているという事実がある。

だから成熟期から衰退期の入り口にある日本市場でCRMは不可欠な考え方なのだ。